オンラインフェス「あそまなび」


今回はいつもお世話になっているT-KIDSシェアスクール主催の「あそまなびフェス!@オンライン」に講師として参加させていただきました。

イベント全体のテーマは、<「好き」をみつける「好き」をたのしむ>というもの。

そこでアートコンパスでは日本の伝統文化の一つである「見立て」を取り上げてみました。題して「見立てで遊ぼう!-MITATE MASTERへの道-」です。

参加していただいた子どもたち、保護者の皆様、T-KIDSシェアスクール担当の一瀬様、スタッフの皆様、準備の段階からイベント当日まで、本当にありがとうございました。

特に参加いただいた子どもたちには今回の講座を受講して「見立て」を好きになっていただけたのであれば幸いです。

 

●概要


「見立てで遊ぼう!-MITATE MASTERへの道-」

日時:2020年10月25日(日)11:30~12:30

Zoomによるオンライン講座

参加者:2名 講師:中村

主催:T-KIDSシェアスクール


●講座の流れ

① はじめに「アートコンパスと参加者の自己紹介」

② ミニレクチャー「見立てってなぁ~に?」

③ 初級編

④ 中級編

⑤ 上級編

⑥ おわりに「MITATE MASTERの更なる試練の道」


●振り返って

これまで弊社でもZoomを活用したオンラインワークショップ(オンラインアート広場)を開催していたので、特にそのオンラインに対しての抵抗はなく、あとは講座の構成と時間配分、当日の参加者とのやり取り、そして進行を計画通り進められるかどうか?そのあたりが不安要素でした。

前日までに参加者数(3名)が決定していたので、少人数であることから当日は「子どもたちとの対話」と「子どもたちの発表」の時間をたくさん取れるとふみ、見立ての作品制作と同等なぐらいに重点を置いて臨みました。

というのも、このオンラインによるワークショップでは、参加者の立場から「ただただ講師や有識者たちの話を延々と聞いている」よりも「参加者自身が積極的にコミュニケーションを取りながら参加していく」ことのほうがオンラインの満足感や達成感が全く異なってくると感じていました。(主観的な感じ方ですが)このことは弊社のオンラインアート広場だけの経験からではなく、私自身がこれまで他社のオンライン講座等に参加したときの経験も踏まえての理由です。

そこで自己紹介(3点:①お名前 ②学年 ③好きな事)の時間で参加者の緊張感を解き(アイスブレイク)、その後「見立て」について私の参考作品や京都の龍安寺の石庭の画像をお見せしながら「見立てとは何か?=あるものを別の何かにたとえること」を共有し、修行の前の準備運動をしていきました。

この作品画像の中で、何がなににたとえられているか?
いくつ見つけることができるかな?
当日参加した男の子はなんと電車の機種名まであてていました!(驚)

こちらの参考作品はいかがでしょうか?

京都の龍安寺です。
白砂が波紋、15の石が島に、そして塀の模様が対岸の景色に見えてきますよね。
借景のことを言及し忘れましたが・・・


普段からオンラインを活用しているからなのか?参加してくれた子どもたちはオンラインでのやり取りに全く支障はなく、初めて会う私に対してもどんどん対話が円滑に進んでいきました。もし私が小学生のころ同じ環境だったら、この子どもたちのようにこんなにオンラインを使いこなしていないだろうなぁ~と・笑。

そして心も体が温まったところで、いよいよ修行に入ります。

 

修行の内容は、子どもたちが楽しめるように3つの課題:初級編、中級編、上級編と徐々に難易度があがり、全てクリアーできると「MITATE MASTER」の称号がゲットできるというものです。

 

【初級編】(5分)

「目の前の机の上を海に見立てて、身近な素材で島と船を表現してください。」

【中級編】(5分)

「身近な素材で動物を表現してください。」

【上級編】(8分)

「これから『私』は家の中へ修行の旅に出ます。好きな場所と身近な素材を組み合わせて見立てを自由に表現してください。」

上級編では入る前に、参加者に白い紙に等身大の自分を描いていただき、
その「私」が家の中の旅に出るという設定。
例として、私がトイレのタオル掛けを滝に見立てて修行をしているところを提示してみました。

モニター越しから、子どもたちが右へ左へ素材を探したり、組み立てたりと、制限時間内に、それも楽しそうに各修行に取り組んでいる様子が伺えました。

ちなみに子どもたちが見立てに使用していた身の回りにあるものは、コルク、電池、洗濯ばさみ、箱、水筒、そろばん機、ペットボトルのキャップ、定規、ペンケース、ホチキス、双眼鏡、どんぐりなどなど、本当にいろいろなものを課題に合わせて活用していました。

最後の上級編では終わりの時間が迫り、当初の15分を5分に変更。結果、延長3分の計8分という短い時間の中でも、3つ4つもの作品を作ってしまう子もいました!そのどの作品も創造性豊かなものでした。

やっぱり子どもも大人も楽しみながら学べると、その創造物は素晴らしいものが生まれてきますよね。

そして各修行が終わるごとに、ひとり一人作品を発表していただき、自分以外の見立てのアイデアに「へぇ~そんなアイデアがあるのか!」と驚きながら鑑賞。

 

●最後にハプニング?

上級編も無事に終わり、晴れて参加者の子どもたちは「MITATE MASTER」の称号をゲットできました!

そして最後に私からMITATE MASTERの更なる試練として「今回は家の中で見立てを体験したけど、家の外の世界にもたくさん見立てで遊べるよね!」と興味関心の視野を広げるべく締めのコメントを言おうと思ったら、参加者の一人から「僕、新聞で見立ての記事を見つけたんだよ!」という発表が突如としてありました。

部屋の中から新聞を探して私たちに見せてくれたのはアルチンボルド(1526-1593)の写真記事でした。まさかの展開と、今回の講座前に見立ての興味関心を自分自身で広げていてくれたことにとても嬉しく思いました。

「ウェルトゥムヌスに扮するルドルフ2世」(1590-91)
Wikipediaより

そこでみんなで家のお野菜を組み合わせて見立ての作品を作ることができるよね~と情報を共有!

とても少人数での講座でしたが、ひとり一人と顔を合わせ、関係性を築き、対話を重ねながら子どもたちのペースに合わせて進めることができたのではないかと思います。

ただ全体の反省点としては時間配分と、私の方のパワポの画像と参加者の発表時の切り替えをもっとスムーズに操作できればもう少し時間短縮にもつながり余裕を持って進行できたかな?と思いました。

またみんなとはどこかでお会いできることを楽しみにしています!

MITATE MASTERの皆さん、お疲れ様でした!

 

●次回のお知らせ

ランタンツリーをつくろう!

日時:11月29日(日)13:00~15:00

会場:T-KIDSシェアスクール・柏の葉校

コチラはすでにご予約が満員となっております。

もしランタンツリーにご興味のある方は、弊社の方で12月6日(日)に開催予定です。

詳細については追ってホームページ、SNSにてご連絡させていただきます。

▼みんなのアートプロジェクト

http://www.artcompass.jp/artproject.html


それではまた!


●「見立て」に関連するブログ

過去に「見立て」を取り上げたときの振り返りブログです。

▼第8回みんなのアート基礎講座を終えて「見立ての世界・私の箱庭」

http://artcompassblog.blogspot.com/2018/11/8.html

▼補足:見立ての美学

http://artcompassblog.blogspot.com/2018/11/blog-post_28.html


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