9月のまるアート教室を終えて
今月のまるアート教室は影絵をみんなで一緒に楽しみました。
題して「影絵であそぼう!」です。
実は私のアートライフの中で影絵をやったことがなく、今回はまるさん側からの要望でもあったので、初めての試みでどうなってしまうのか?緊張と不安の中での開催でした。
結果的に子どもたちもスタッフさんも、そして当の私も影絵の美しさに魅了され、大いに楽しむことができたのではないかなぁ~と思っています。
参加してくれた子どもたち、スタッフの皆さん、当日は本当にありがとうございました!
●概要
「影絵であそぼう!」
日時:2020年9月12日(土)14:00~16:00
場所:NPO法人まる(筑西市)
参加者:子どもたち(11名)、まるのスタッフさん(5名)、中村
<タイムスケジュール>
14:00~14:15 ミニレクチャー「影絵であそぼう!」
14:15~15:10 制作①「モチーフをつくろう!」
15:10~15:20 休憩(水分補給)+「影絵」上映会場のセッティング
15:20~16:00 制作②「影絵の実験をしてみよう!」+制作③「みんなえ物語をつくってみよう!」
●準備段階にて
まるアート教室に限らず、アートイベントやワークショップで大事な事は、やはり準備と当日のシミュレーションだと私は考えています。
その良し悪しが8割~9割で決まってくると感じ、そして残りの1~2割は当日の柔軟かつ瞬発力みたいなものかなと。
ではアート教室の2時間をどのような構成にするのか?ネットなどで影絵をリサーチしながら、先ずは全体の構成をざっくりと考えていきました。
今回は大きく3つです。
① モチーフづくり ② 影絵の実験 ③ 物語づくり
①のモチーフについては、昆虫や動物に限らず、乗り物やロボットなどの機械、恐竜やアニメのキャラクターなど子どもたちが作ってみたいものであれば何でもOKとしました。
またそのモチーフは、シルエットだけでも、カラーセロハンを貼っても、そして割りピンを利用して可動性のモチーフにしてもOKです。
但し、まるの子どもたちにとっては、デザインカッターを使った厚紙内側のカット、そして割りピンの取り付けは難しいので、スタッフさんや私が適宜対応しなければなりません。
子どもたちによっては、序盤のモチーフ選びの時点でつまづいてしまうことも考えられるので、参考となる陸海空の生き物のシルエットを何枚か準備し、いろいろな種類から自分の好きなものを選べるようにしてみました。
正直、そのシルエットを大きなサイズに印刷し、サポートが必要な子どもたちに準備するかどうか?ギリギリまで迷いました。
ですが、そうしてしまうとモチーフを限定してしまい、その子の「好き」や「選択」を無視してしまうことになるので、今回は私の「どうしても自分の意志で選んで欲しい」という気持ちからそのようにしてみました。
ただこの①の工程をクリアーできさえすれば、②と③の工程については特に心配ないと踏んでいました。
●直前までの悩み
もう一つ開始直前まで悩んでいたことがありました。それは工程②と③で利用する会場のセッティングについてです。
メインの部屋である和室(確か8畳+8畳の16畳+縁側)をどのように利用するか?
事前の決定事項として、光源はプロジェクターを使い、ランタンアートで使用した2m×2mの白い布があったので、あとはどのように空間を演出するかです。
実はこの空間づくりはとても重要なポイントで、そこに集う参加者の心理面に大きな影響を及ぼしてきます。単純に心地の良い空間と、心地の悪い空間とでは、せっかく作ったモチーフが生かされない場合もあるからです。
結論から述べると、部屋の中央にある鴨居からシーツをたらし、部屋を大きく二等分しました。片方を鑑賞席、もう片方を舞台裏として。
当初は部屋の片側にシーツを寄せて、鑑賞席と舞台を分けずに一緒の空間にしてみようと考えていましたが、鑑賞者が舞台裏のドタバタ動いている様子を見ていたら無粋ですし、また実験材料を置くスペースもしっかりと確保したかったためこのようにしてみました。
結果的に「表現」と「鑑賞」をうまく分けられ、交互に循環するダイナミックな場を創ることができたのではないかと思っています。
●本番、実際のところ・・・
私の当初の思惑は、モチーフを作った後の②の実験で、様々な素材(カラのペットボトルやプラスチックコップ、エアーキャップ、容器や紙箱、ビー玉等)を使ったり、自分の手や身体を使って影絵の美しさやおもしろさを体感しながら、いろいろな発見を得てくれたらなぁ~というのが率直な思いでした。
そして③の物語づくりでそこにモチーフが加わって、各々の実験結果と組み合わせながら自然発生的なストーリーが豊かに生まれてくれれば!と。ここまでが私の大まかなシミュレーションでした。
ですが、大人の思惑通りにはいかず・笑。
実際は子どもたちが素材の実験よりも、自分たちが作ったモチーフを使って早く遊びたい気持ちが強烈なまでに前面に出ていたので(笑)急遽、モチーフも合わせて素材と一緒に遊んでいただきました。(②と③を合同に変更)
●反省点
よくよく考えてみると、影絵の表現と鑑賞は、いわば参加者の協同作業だったと思います。つまり自分以外の他者との協調性が試されるわけです。
そこでは感情のコントロールも必要となってきますし、どうしたらみんなが楽しく参加できるのか?今後深く考えていく「きっかけ」になったのではないかと思いました。
また、アート教室の内容が複雑な場合、事前にしっかりと計画を立て、その情報をスタッフの皆さんともう少し共有できていれば、もっと会場のセッティング等で時間もスムーズに運べたのではないかと思いました。
最後に子どもたちに今日の感想を聞いたとき、「時間が全然足りなかった」という意見が多かったようです。
兎にも角にも、次回の影絵に生かせる材料がたくさん収穫できた一日でした。
●次回のお知らせ
次回はスチレンボード版画を予定しています。
コメント
コメントを投稿