第3回 みんなのアート基礎講座を終えて(前半)

ドキッとするほど美しい抽象絵画。
画面いっぱいにやりきっています!
(作者:小学2年生女子)


このところ雨の日が続いていましたが、今日は晴れ間がのぞき、秋晴れ!とまではいかないまでも気持ちの良い一日となりました。

やっぱり天気が晴れると気持ちが晴れる、気持ちが晴れると制作の気分も抽象絵画も晴れる!?

というわけで、本日午後は阿見町にある本郷ふれあいセンターにて、みんなのアート基礎講座「抽象絵画を楽しもう!」を開催しました。

参加者の皆さん、今日はとても充実した時間を一緒に過ごすことができ、また個人的に皆さんの美しい作品に癒されました。本当にありがとうございました!


●概要

第3回 みんなのアート基礎講座「抽象絵画を楽しもう!」
日時:2020年9月27日(日)13:30~16:00
場所:本郷ふれあいセンター・会議室1
参加者:計8名(大人3名+子ども4名+中村)

ブルーシートを敷いて、のびのびと制作!
他の参加者の制作も気になりますね。

<タイムスケジュール>
13:30~13:50 ミニレクチャー「抽象絵画ってなに?」
13:50~14:30 制作・前半(アクションペインティング)
14:30~14:50 休憩(作品の乾燥)
14:50~15:35 制作・後半(トリミング)
15:35~16:00 振り返り(作品発表)

 
●はじめに

今回のアート基礎講座で「抽象絵画」をテーマにした理由は、この半年以上の期間、コロナによって日常生活が一変し、子どもから大人まで私たちの気持ちがふさがりがちになっているかと思います。そこでその気持ち・今の感情を開放する手立てとして、抽象絵画をピックアップしてみた次第です。

というのも抽象絵画は私たちの感情と親和性が高く、簡単に言ってしまえばふさがりがちな感情をアウトプットする方法として抽象絵画が有効だと考えました。

美術史を辿ると、1940年代にニューヨークで生まれた「アメリカ抽象表現主義」の代表的な作家、マーク・ロスコなども人間の感情を色彩と形で表現していきました。

はじめのレクチャーでは、そのアート史もいくつか引用しながら抽象絵画について説明を行い、その後に制作へと入っていきました。

ちなみにマーク・ロスコの作品は、千葉県佐倉市にある川村記念美術館(以下、リンク)で鑑賞ができます。
 
 
●制作・前半「アクションペインティング」

制作を始める前に、参加者の前で私が簡単な抽象絵画の実演を行いました。
大きな画用紙を床に敷き、絵具をたらしたり、ジャクソン・ポロックのようにドロッピングをしてみたり、両手に直接絵具をつけて描いてみたりと。

その光景を見ていた参加者のボルテージは最高潮!!!

そして画材や道具を持って自分の持ち場につき、いよいよスタートです!

プラスチックコップに各色を入れて、高い位置から絵具をたらしています。
アクションでありながら、静寂を感じさせるパフォーマンス?
偶然性を取り入れながらも計画的に制作を進めていました。

はじめに様子をみるように筆で線を大きく描き、次にバットの中にいろいろな絵具を混ぜ
足で描くフットペインティングを楽しんでいます。
※フットペインティングといえば、日本を代表する作家、具体派の白髪一雄氏ですよね。

同じフットペインティングでもこの女の子は面白い表現方法を発見しました。

それはバットに赤い絵具をため、両足を容器の中につけたまま、
足のつま先で絵具を「ピュッ」と飛ばして描いています。
これがまた違う飛沫の表情が出て面白いですよね!

描くだけでなく、いろいろな絵具をどんどん混ぜ続けることにも興味を覚えたようです。
渋い色味を次々に生み出していきます。
お母さんと二人三脚で真っ白な画面から徐々に抽象の形へと変化していきます。

一方、アクションペインティングなどの偶然出来た模様だけでなく
具体的な絵を描いても勿論OKです。
太陽や雲、街並み?など、体全身を大きく動かしながら!

自分の好きな色を筆やビー玉や手や足で!
パレットの上で絵具を混ぜて、その出来た色を画用紙にのせていく一般的な工程ではなく
別な描き方を発見していました。
それは赤・青・黄・緑を混ぜずに、直接足裏につけて、
そのまま画用紙に押し当てていくように描く方法です。
そうすることで色の彩度が落ちず保たれ、色鮮やかなままその痕跡が残ります。
子どもたちの探求心にはまさに脱帽です!

大人顔負けの真剣な表情です。

撮影は逃しましたが、この男の子はピアノをならっていて
新しい技法「ピアノ・ペインティング」を披露。
画用紙を鍵盤に見立て、ドレミファ~を口ずさみながら
音符を奏でるように指先につけた絵具をつけていきました。

コチラは私が初めに実演したもの。
乾いた後にこの絵を子どもたちが見て、「天国みたい!」とのこと・笑


アクションペインティングがひと段落したところで休憩に入りました。
そのとき、制作・後半へ進むためにドライヤーで乾いていないところを乾かしていきました。

正直、夏も過ぎて絵具の乾きが遅くなるかなぁ~と心配していたのですが、休憩に入るころには7割が自然乾燥ですみました。

後半戦のトリミングに入る前に、一度記念撮影です!

色彩のハーモニーがとっても美しいです!
途中、弟君の描き足し?もありましたが、
その痕跡もうまく利用することができましたね。

画用紙を持ち上げて右に左に
まだ乾ききっていない絵具をたらしながら線を描いていました。
何層にも重なったマチエールが重厚な響きを奏でています。

色彩が淡く、とっても可憐で繊細な絵画です。
実は絵具をたらす前に、クレヨンで花火のような模様を下地に描いていました。
そうすることで絵具がその箇所をはじきクレヨンの線が浮き立って見えます。

身体が隠れるほどの大きな作品の出来上がり!


制作・後半へ続く!


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