試作品「紙粘土で動物づくり!」
今日は一日、気持ちの良い日となりましたね。
日本の暦で一年を24等分する「二十四節季」があります。
このあいだの水曜日(5/20)が「小満」、つまり、万物が次第に成長して一定の大きさに達してくるころ、成長する気が次第に長じて天地に満ち始めること。家の周りは今まさにその風景です。
昔の日本人は本当に自然の現象をよく観察し、的確な文や言葉で日本の四季を表現していると常々感心してしまう今日この頃、私は家に籠って来月14日に予定しているオンラインアート「紙粘土で動物づくり!」の試作品づくりを行いました。
前回の「動くおもちゃ」同様に、今回も6月14日(日)に開催予定のオンラインアート広場「紙粘土で動物づくり!」の基本道具、基本材料、その制作過程をお伝えしていきます。
【基本道具】
ペンチ、粘土用へら一式、粘土板、セロハンテープ
※百円ショップ:ダイソーの工作コーナーに、粘土板(100円)と粘土用へら一式(100円)を購入できます。
【基本材料】
紙粘土(480ml)、アルミワイヤー(針金)、アルミホイル、板または段ボール(作品の台座として利用。ダイソーで購入したMDF板のサイズ:200×300×6)
※紙粘土をたくさん使いそうな方は、予備も含め2個あるとよいです。
今回アルミワイヤー(1.0mm)を使用しました。
結果的にワイヤーを二重にして使用したので、
サイズが2.0mmのものをお勧めします。
※どちらも百円ショップ:ダイソーで購入
紙粘土以外は、道具も含め全て百円ショップで購入可能です。
費用は500円~1,000円以内といったところです。
ちなみに紙粘土はホームセンターで購入。いろいろな種類がありますが、アートコンパスでよく使用しているのは写真のもので、とっても軽くて手にべたべたと付かない紙粘土です。お店にもよりますが1個200円前後で購入できます。
※赤字の基本道具、基本材料は最低限必要なものです。
【制作工程】
1.構想:どの動物を表現する?
2.ワイヤーで骨組み
3.アルミホイルで肉付け
4.紙粘土で仕上げ
5.着彩(任意)
それでは制作過程を順次詳しく見ていきましょう!
1.構想:どの動物を表現する?
いつもは参加者(子どもたち)が表現したい好きな対象にしていますが、今回はあえて「動物」というテーマに絞ってみたいと思います。
1-1)動物選び
動物と一言でいっても、その動物が生息する場所「陸・空・海」でも違うでしょうし、種類:魚類、両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類などでも違うと思います。あと恐竜や絶滅種など時代によっても違いますよね。
先ずはノートに思いつく限り動物の名前を書き出してみて、その中から表現してみたい動物を選んでも良いですし、「私は絶対これ!」と決まっていたらそれでもOKです。
1-2)動物の特徴を観察
表現したい動物が決まったら、その動物はどんな特徴を持っているでしょうか?
例えば、姿、生息している場所、食べているもの、などなど。
私の最終候補は「ゾウガメ」「鶴」「キリン」の3種類の動物でした。
ゾウガメの皮膚のぼこぼこしたマチエールが魅力的!
鶴の口ばしを天に向けて鳴いている姿が美しい!!
キリンの頭部の形と首が特徴的で針金を使っている感が表現できるかな?などなど。
結果的に参考に良い動物はキリンが分かりやすいかな?と思い、これに決定。
これから動物園や町の図書館に図鑑を借りに行けないので、ネットで画像を検索し、頭や全身像がわかりやすい画像をピックアップし、プリントアウトしたものを壁に貼り付けて、それを見ながら制作してみようと思いました。
決して写実的な、瓜二つな表現でなければならないわけではなく、くまモンのようにデフォルメされた形でも、何でもOKです。
ただ一つだけ留意点があります。
皆さんが選んだ動物には、その動物ならではの特徴があるはずです。
その特徴を頭の隅に置きながら制作すると、例え簡略化された造形作品でも確かにその動物になっちゃうから不思議なものです。
例えば、キリンの容姿で言えば、
・首が長い!
・角(こぶ?)がある
・前足と後ろ脚の膝の部分が凹っとしている
・背中に背びれのような毛並みがある、などなど。
2.ワイヤーで骨組み
次に表現したい動物の骨組みをワイヤーで作ります。
私(キリン)の場合、頭部からしっぽの付け根まで一本の長いワイヤー。(このときワイヤーのサイズが1.0mmだと弱いとわかり、二重に絡ませて1本としました)その1本を中心軸に、後足、しっぽ、前足、頭部を順次つなぎ合わせていきました。
この時注意したいのは、このワイヤーの長さで大まかな動物の体の比率がある程度決まってきます。勿論、長すぎたワイヤーを切ったり、短い個所を次の工程のアルミホイルで足してみたりと、修正は可能です。
キリンのポーズ(姿勢)はどうするか?
キリンが地面に腰を下ろして、ゆっくり休んでいる姿がいいなぁ~と思い、
その姿を表現。
3.アルミホイルで肉付け
料理などで使うアルミホイルは、とても万能な素材で、手先の動きや力加減で様々な形に変化します。
料理などで使うアルミホイルは、とても万能な素材で、手先の動きや力加減で様々な形に変化します。
また接着剤がなくても、ある程度形が固定するのでワイヤーの上から簡単にくっつけることができます。(もしアルミホイルの固定が不安定な場合は、セロハンテープで補強)
ネットで「針金、アルミホイル、工作」で検索すると、紙粘土を使わない針金とアルミホイルで表現された立体作品をたくさん見ることができます。
これはこれでとても魅力的ですが、今回はあくまでも肉付けとして利用します。
またこの肉付け工程を経ることで、次の紙粘土で余分な粘土を使わなくて済み、また作品の重量もかなり軽減されるメリットがあります。
私の場合、胴体のふくらみの部分や後足のももやおしりまわりの厚みなどを十分に加えていきながら、全体のフォルムを微調整していきました。
4.紙粘土で仕上げ!
いよいよ紙粘土の出番です!
先ほどアルミホイルで肉付けした周りに紙粘土で覆っていく感じです。
紙粘土をつけていきながら、キリンの特徴的なフォルムを整えていったり、余分な紙粘土をはぎ落したりと、先ずは「胴体→足→首→頭部」の順番で行っていきました。この順番はあくまでも私の場合ですので、参加者の皆さんは自分の好きなところから粘土をつけていってください。
キリンがTシャツを着ています・笑
やっぱり頭部に時間がかかりました。
なかなか「これだ!」という表情ができず、苦しみましたね。
あと絵画などの平面作品と異なり、立体作品の制作の場合、気を付けなければならないことがあります。
それは、いろいろな角度から作品を見ながら制作を進めていくこと。
ある一方向からず~っと制作していると、最後の方で作品の裏側を見たとき、全然できていなかったり、全体のバランスが角度によって悪かったり、などがありますのでご注意を!
今、このブログを書いていて感じることは、
もう少しおなか周りをふくよかにした方が、首と足の細身と対比ができて
もっと良かったかな?と反省しています。
なんとか完成しました!
5.着彩(任意)
実は今回使用した紙粘土は、乾いていない時にも絵具の着彩はある程度可能です。またあらかじめ紙粘土に絵具を混ぜて、色のついた紙粘土で形作ることも可能です。
私の場合、完全に乾燥してから後日着彩してみようと思います。
好みによっては絵具が乾いてから、ニスやラッカーで表面をコーティングして仕上げてみても良いと思います。
最後に
補足として、ワイヤーを使わず紙粘土だけで動物を作ることは可能です。
ただ今回ワイヤー(針金)を使用する理由は、その立体作品の基礎の習得だけでなく、重力に逆らった動物の躍動感ある姿を表現することが可能になるからです。勿論、眠っている様子など静かな姿を表現してみるのも自由です。
他にも、仮にある一頭の馬が前足を宙にあげ、後ろ足だけで立っている姿を表現したいとします。その時は作品(足のワイヤー)と台座との接地面を固定(きりで板に穴をあけワイヤーをさしこみます)することでその表現が可能になります。
きっとオンライン当日、参加者の皆さんがいろいろな表現を試みてみたいと思いますので、その都度、技術的な面でのアドバイスをお伝えできればと思います。
皆さんのご参加、心よりお待ちしております。
それではまた!
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追記:
後日、おなか周りを中心にもう少し紙粘土で肉付けを行いました。
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