4月のまるアート教室

いよいよ新年度の活動が今日から始まりました!

一番最初の活動は、昨年よりお世話になっているNPO法人まるさんのところでのアート教室です。

今年2月は雪のためお休み、3月は私の都合でお休みにさせて頂き、約3ヶ月ぶりの教室でした。(その節はご迷惑をお掛けしました。今年も毎月第2土曜日にアート教室を開催させていただきます。)

まるスタッフの皆様、子供達、そして保護者の皆様、今年度もよろしくお願いいたします。

各回子供達と触れ合える貴重なアートの時間を大切に、一人ひとりの声をもらさず聞きながら、表現することの楽しさを少しでも多く体験の中で伝えていければと思っています。


さて早速ではありますが、今日のアート教室の模様を各子供達の作品を通してお伝えしていきたいと思います。

今日の参加者は5名!それも初めての参加者が多い、いろいろなドラマがあった一日でした。


【年長の男の子】
 
 
 
制作が始まる前、男の子から質問攻めにあってました。それは「先生、カワハギって知ってる?作り方教えて!」と。

「カワハギ?」

はじめ何のことを言っているのか分からず、しばらく様子を見ていると、黒の色紙を台紙に、三角形の木を2枚組み合わせ、色を塗ってボタンの目をつけたら「カワハギ」の頭が完成しているではありませんか!

そこで私から逆質問「お魚の胴体はどうするの?」と、すぐさま
材料が並べられている縁側に行き、紙コップの束を持ってきました。「どうするのかな?」と様子を見ていると、紙コップの束に紙粘土で作った尾びれや背びれをつけて、徐々にその全体像が豊に表現されていきました。

なるほど!紙コップの重なり模様が魚の鱗に!

その後はもう彼のイメージの世界が次々に生まれていきます。

釣りをする人、うつぼに、イカに、あと何て言ったか忘れてしまいましたが、何でそんな魚の名前を知っているの?と思えるぐらいの専門的な魚の名前です。

そして最後に両手いっぱいに絵具をつけて台紙にペタペタと海の流れ、水の流れを表現していきました。


また今回、準備の段階である密かな試みを行ってみました。

それは昨年度の子供達の様子を見ていると、絵画よりも紙粘土などを中心に手で直に触れられる立体作品を好んで制作する傾向がありました。

個人的には「どうしたら絵画の方にも興味をもってくれるかな?」と感じており、そして今日、試しに何枚か白の画用紙に代わる色紙を持参したところ、見事にその「色」に応えてもらい、独自の物語を想像する上で誘発してくれる素材になったのかな?とも感じています。



【小学1年生の女の子】
 
「森」
中央にあるのは紙粘土で出来たクマさんです。

「海」
まるで宝の山が海の底に眠っているようですね。
それとも竜宮城かな?

今日はじめて参加した女の子でした。始まる前、私が材料や道具を部屋の縁側に並べて準備していると、きらきらした素材にとても興味を示し、「これ使いたい!あれも使いたい!」とすでに制作のイメージづくりが始まっていました。

紙のお皿に自分が使いたい素材を入れて自分のテーブルの上で制作していいよ!と言ってからしばらくすると、そのお皿自体にとても丁寧に慣れた様子で青の絵具を塗っていきました。

聞いてみると、幼稚園で絵具を頻繁に使用していたとのこと。

そしてコチラもみるみるうちに2つの世界が徐々に表現されていきました。

一つは「海」、もう一つは「森」です。

色彩だけでなく、それぞれの環境を表現する上で、各々にあった素材をキチンと吟味し、使い分けています。

そしてその2つの世界観は次のステージに移りました。


「森のスープ」

「海のスープ」

絵具を水で溶き、海の幸、森の幸が盛りだくさんな美味しいスープの出来上がり!

そして驚くべきことに、鉛筆削りを使って、色とりどりのクーピーを各お皿の上で削りながら調味料も足していきました。

素材と色彩感覚がとても優れた子だと感じました!



【年長の男の子】
 
「ホワイトボードに線描画」
 
今回がはじめての参加でした。村本先生からは事前に線描が大好きな男の子だとお聞きしていました。
 
部屋に入ってくるなり、筆をすぐ手に持ち、さぁ~っと画用紙の上に点や線を次々と描き始めていきます。
 
はじめはおばあちゃんが、後半はお父さんが側につきながら一緒に描いていきました。
 
村本先生からは「このホワイトボードに描いていくことを何か作品に出来ないでしょうか?」とたずねられ、個人的には3つの作品改めて見返したとき、音符・楽譜のように見えてきました。
 
 
もし3枚の作品それぞれに五線譜を描き足し、ピアノか何かの楽器で演奏してみたら、どんな音色が聞こえてくるのかな?と想像してしまいます。
 
余談ですが、ロシアの作家のカンディンスキーは音楽を抽象絵画として表現しました。
 
「何か音と関連性があるのかな?」
 
もうしばらく村本先生から出された課題を検討してみたいと思います!
 


コチラの作品はお父さんと一緒に制作!


 

「Composition Ⅶ」(1913)
ワシリー・カンディンスキー




【1年生の男の子】
 
 
初めての参加。最初、私と一緒に制作を始めました。
 
好きな絵具の色を聞きながら私がパレットの上にチューブから出し、また丸筆、平筆など様々な種類の筆からこれまた好きな使いたい筆を選び、一つひとつ手にとって大胆に、また水分を含ませて、まるでそのにじみを楽しむかのように描いていきました。
 
後半は粘土と紙皿を使ってお食事タイムです。
 
男の子が自分で食べるフリをしたり、私が食べさせてもらうフリをしたりと。美味しいお料理、ご馳走様でした!



【小学5年生の男の子】
 
 
初めての参加。黙々と何かに向かって制作している様子だったので、何を作っているのか聞いてみると「ピグミー?、ピグモン?」とかなんとかいうゲームの世界に出てくる山や宝を制作していました。

この歳になると、子供達のゲームやYou-tubeの話が全くついていけません(笑)

よく見ると一つ一つのかたちが全く異なり、集まって全体を見て見ると、とても美しいハーモニーを奏でています。制作の最後には粘土板から別の台に置き換えて、まるの玄関に飾らせていただきました!




今日の反省点としては、

この様々な材料を部屋の縁側に並べ、子供達が自由に選び手にとって、私やスタッフさんたちとおしゃべりしながら制作をするかたちのアート教室の準備には少々時間がかかること。

その為、14時からキチンとスタートするには13時半には教室に入り、準備を始めないと遅れてしまうこと。

その一方で制作の面で自由度がある分、参加者のみんなで限られた楽しい時間を過ごす中で、最低限のルールが必要であり、そのことを今後どう子供達に伝えていくのか?個人的には、「子供達の社会性を育む」観点からも必要であると感じますが、先ずはまるさんに次回ご相談しながら検討していきたいと思います。


それでは次回、5月11日にまたアート教室でお会いしましょう!
(次回は今日の倍の予約がすでに入っているとか!!!!)


庭に咲いていた花


 






コメント