第2回みんなのアート基礎講座を終えて

 6月26日午後、第2回みんなのアート基礎講座「箱の中身はなんだろな?パッケージデザイン」を開催いたしました。

6月にも関わらず連日猛暑の中、ご参加くださった皆さま、ありがとうございました。

デザイン講座としては約2年ぶりの開催となりました。




さて、パッケージデザインの講座ということで、

今回は「入浴剤」を題材に扱いながら、主に「ターゲット設定」について学んでいきました。

構成は以下の4部構成になっています↓

Ⅰ 「どんな子かな?」グループワーク 

 「パッケージデザインの観察」

「パッケージデザイン制作」(個別)


「展示&鑑賞会」



まずは、「どんな子かな?」グループワークから。


人物のイラストを見てもらい、「どんな子かな?」というのをfuct&opinion(事実と意見)で挙げていきました。




事実(fuct)は、イラストを見てわかる情報そのもの、

意見(opinion)は、イラストを見てわかる情報を踏まえて想像できることを挙げてもらいました。


例えば、「女の子が飴を食べている」(fuct)、「女の子は笑顔なので、飴が好きだと思う」(opinion)という感じで。


そういうのを沢山挙げていくことで、「どんな子かな?」という人物像を深掘りしていきました。

これはデザイン用語では「ペルソナ」と言って、ターゲットとなる対象の人物像を深堀りし、より確実にターゲットに届くデザインを制作するためにやったりします。


人物像を深掘りしたところで、次は、ランダムに配った入浴剤数個の中から、

「どの子がどの入浴剤を欲しがりそうかな?」というのを挙げてもらいました。





「そうたくんは、積み木遊びが好きそうだから、テトリスの入浴剤が好きだと思う」

「ゆみこさんは、鳥が好きそうだから、ひよこの入浴剤が好きだと思う」など、


入浴剤のパッケージからわかる情報とイラストの人物像とを繋げて、みなさんとても上手に挙げてくださいました。


入浴剤を選ぶ中で「これは絶対に選ばなそうだな」というのがあったら、

それも「ターゲット設定」について考える時にはとても大事なことになります。



「パッケージデザインの観察」


今度は、自分が気に入った入浴剤をひとり一つ選んでもらいました。

「なぜその入浴剤を選びましたか?どこが気に入りましたか?」というのを発表してもらいました。


「ねこが好きだから」など自分の好きなものが入った入浴剤だからだったり、

「あえて絶対に選ばないようなものを選んだ」という理由だったりしました。


選んだ理由を意識してもらったところで、

次は、実際に入浴剤のパッケージを開封して、中身を見てもらいました。



「いちごの香りだとパッケージに書いてあったので、ピンク色のバスボールだろうと思っていたけど、白だった」
「白いのは、無着色・無添加にしたかったからではないか?」
など、パッケージと中身にギャップがあったという話や、どうして白色なのかについての考察をおしえてくださいました。
また一方で、パッケージと中身について「想像どおりだった」という方も一定数いました。

パッケージと中身の繋がりについて意識してもらったところで、
次はいよいよ、パッケージデザインの個別制作に入ります。


「パッケージデザイン制作」(個別)

まずは私がサンプルとして作ったものをご紹介しました。



もともと今回の題材となった入浴剤は、ターゲット設定が、幼児〜小学校低学年ぐらいを対象としたものだと思われますが、

例えばそのターゲットの年齢層を10代〜20代の男女と上げて設定してみると、

パッケージの雰囲気もそれに合わせて変えることができるね、という説明をさせていただきました。


今回の制作では、以下のことを設定して制作してもらいました。


1.どんな入浴剤か?

2.商品名は?

3.ターゲット(誰に使ってもらう?)



さあどんな入浴剤パッケージが出来上がるかな?ワクワク制作タイム↓











「展示&鑑賞会」


出来上がった作品を展示して、みんなで鑑賞会を行いました。

作品のそばに以下を記載した紙を置いてもらいました↓


1.どんな入浴剤か?

2.商品名は?

3.ターゲット(誰に使ってもらう?)


それではみなさんの作品をご紹介いたします↓


立方体の各面に、必要な情報がとてもよく整理されており、
細部までこだわってよく作られていました♪
「つかまる ねこたち」という素敵なネーミングと
可愛いくてわかりやすいイラストも素敵です!


可愛いことりのイラストが印象的なパッケージ。
特にひよこのからだ、頭が大きく他のくちばしなどが小さい作りの
デザインされたカタチが可愛いくていいなと思いました♪

毛糸で作られたうさぎのしっぽやいちご、
異素材を使って工夫された素敵なパッケージですね!
落ち着いた色合いが、幼〜大人の可愛いもの好きターゲットにまさに刺さりそうですね♪

テトリスのブロックを紙粘土で作って、
それが飛び出してるようなパッケージをデザインしてくれました。
写真だと見づらいですが、黒地に暗いグレーのタイトル文字という組み合わせ
といい、とてもカッコイイですね!

「DIYツールが入ったソーダの香りの入浴剤」という要素を、
とても上手に変換してデザインされた素敵なパッケージ。
おうちの煙突がソーダのストローなのもよく考えられていますよね♪


デザインスケッチがとてもよく描かれていて、
出来上がったパッケージも配色がとても綺麗で、
アイスとりんごの要素が上手に表現されているなぁと思いました♪

『あの上杉謙信が愛用したバスボール!!』という
キャッチコピーがまたナイスで効いてますね!
武将兜の絵も上手で、そこに水色の花と和の色紙という組み合わせも素敵です。
パッケージにプレミアム感が出ていますね!


いかのお寿司(全3種類)が入っている
『いかボール』という商品名のバスボール。
いかのカタチが見事なデザインのパッケージ!
「いか」の文字も和風フォントのようにデザインされていて素敵!
いかに特化してるのもまたいいですね♪


ようちえんの女の子向けにパッケージをデザインしてくれました。
大きめの袋型パッケージと可愛いうさぎのイラストが、
開封時のワクワクをそそりますね♪

モールで網を作り、その網でバスボールを包むというアイデアが素敵!
紙粘土で作られた道具もよく出来ていて、
アウトドアな要素が満載なのがいいですね♪

『水族館のいきものバスボール』という商品名で、
パッケージ全体が水族館の水槽のようにデザインされていて素敵!
透明容器を水槽のガラスに見立てるアイデアもナイスで、
そこからのぞく水族館のいきもののイラストもかわいいです♪

作者の男の子は、もともとスポーツのボールが入っている
バスボールを選んでいたのですが、「元気玉」という着想を得て、
「元気になるバスボール」という商品を開発。
元気にしたい人(ターゲット)がお母さんで、お母さんを想いやったと思われる色選びのパッケージにして完成。一連の思考がとてもよく考えられいるなぁと感心しました!

おふろに入れるとドーナツが出てくるバスボールで、
青と赤のビビットな色の組み合わせが印象的な素敵なパッケージデザイン。
日本を代表するクリエイティブディレクターの佐藤可士和さんの
ブランド戦略をおもわず思い出しちゃいました♪


透明カップを加工して、

シンデレラのガラスの靴のパッケージをデザインされてました!

バスボールが3つ入る仕様だそうです。

ガラスの靴に銀色のモールを施しキラキラ感を増したり、

バスボール全体が透明カップによって見えているのもいいですね♪




今回もこうしてそれぞれの方が制作した作品を振り返って見てみると、

それぞれ違っていて、またそれぞれに良さがあり、まさに十人十色で良いですね♪


素敵な作品を皆さんありがとうございました!

少しでもデザインの楽しさや奥深さを知っていただけたら幸いです。



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