6月の個別アート支援を終えて
今日の午前中は筑西市に住むN子ちゃんの個別アート支援でした。
テーマはズバリ「ユニコーン」!
前日にお母さんへN子ちゃんが描きたい対象を確認し、また同時に「グラデーション」をもっと上手に描けるようになりたいとの要望もありました。
そこで私の方で参考になるユニコーンのイラストや白馬の画像をプリントアウトしたものを持参しました。
いざN子ちゃんの家に到着すると、N子ちゃんがどこにもいません。「あれ?」
お母さん曰く、どうやら最近飼っている小さいカメに夢中とのこと。
「N子~」とお母さんが呼ぶと、向こうの方から「はぁ~い」と返事が返ってきます・笑
アート支援の出だしは会話から始まります。
いつものように私とN子ちゃんとお母さんの3人で今日の描きたいユニコーンのイメージをおしゃべりを通して膨らませていきます。
例えば、
・何色の馬に角を生えているのか?
・絵の中のユニコーンは走っているところ?立ち止まっているところ?それとも馬の顔のアップ?
・ユニコーンがいる場所は?森の中?それとも草原?
・ユニコーンはリアルな馬?それともイラスト調のもの?などなど。
その時に準備してきたユニコーンの資料を見ながら、なるべくN子ちゃん自身で考え、選んで行けるように話を進めていきます。
そして最終的に選んだものは、宇宙空間にたたずむユニコーンの絵でした。
完成作品!
背景の宇宙空間は青を基調に赤やピンク、白や黄色などのいろいろな色が混ざり合う空間です。
そこで該当する色のパステルを数本選び、画用紙にやさしく(グラデーションの勉強も兼ねながら)色を落としていきます。
全体の色味や雰囲気が出せたところで、前回のタンポポで学んだ練消しを使って、パステルを抜き取りながらユニコーンの形と白を出していきます。
その間、私とお母さんはN子ちゃんの絵の話から内容が広がり、今の教育現場やこれからの時代、音楽や絵画などで盛り上がります・笑
具体的には絵画の中心と背景の関係について。
例えば私が好きなレオナルド・ダ・ヴィンチの「東方三博士の礼拝」やドローイング作品を通して中心と背景のお話をしたり、またその関係性の概念を覆したアメリカ抽象表現主義のジャクソン・ポロックの「オールオーバー」のお話などなど。
N子ちゃんにとってはとても難しい内容ですが、お母さんの方は音楽のプロの方なので、お互いの経験やイメージをすり合わせながら、とても楽しい時間を過ごすことが出来ました。(私にとってもアートをいろいろ話せる方は必要なわけで・笑)
20代前半の頃「東方三博士の礼拝」を直接見たくて
一人イタリアへ
その時ウフィッツィ美術館で購入した「東方三博士の礼拝」のパンフレット。
今でも大切に保管しています。
また時間も少し余ったので(下の写真のように)即席のグラデーション練習を行ってみました。
とてもシンプルなもので、9マスの正方形が並んでいます。
一番右に画用紙の白。一番左が任意の色(但しなるべく明度の低い色の方がグラデーションの幅を出しやすいので「黒」や「暗い色」がお勧めです)
そして真ん中のマスに白と任意の色の中間の明度の色を描きます。そこから中間の色と白の中間色を描き、また任意の色と中間色の中間色を描いていくと・・・写真のようなグラデーションが出来上がります。
N子ちゃんは黄緑色を選び、その様子を見ていたお母さんがたまらず参加・笑(上の紺色がお母さん)
私も昔の画学生だったころの記憶を思い出し、そういえばこのグラデーションがうまく出せるようになったとき、画力も上達していった記憶があります。
とにかく描きたい対象をたくさん描いていくと、その対象物が自然にものであれ人工にものであれ、そこには美しいトーンの変化(グラデーション)が存在するので、自然と身についていき、観察する力も同時についていくと思います。
オブザベーション・ドローイング(観察・素描)はやはり基本ですね。
といった感じで、今日はグラデーションのプチ講座も含めた内容となりました。
次回、N子ちゃんはどんな対象を描いてみたいのか?楽しみです。
それではまた!
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