イエナプラン教育
2月8日(土)につくば市役所で開催された「イエナプラン教育に関する講演会」に参加してきました。
演題:イエナプランのビジョンと実践:グローバル時代の教育を考える
講師:リヒテルズ直子氏(オランダ教育研究家)
配布資料:イエナプランのビジョンと実践に学ぶ~自治体レベルの教育改革にどう活かすか?
講演会の詳細は市役所HPをご参照ください↓
https://www.city.tsukuba.lg.jp/shisei/oshirase/1004919.html
この講演会の感想をお話しする前に、イエナプランについて簡単にご説明したいと思います。
イエナプラン教育とは、<話す><遊ぶ><働く><祝う・催し>という4つの基礎的活動の循環を通して子どもたちが学校で学んでいきます。
そこでは日本の公教育には見られない大きな特徴がいくつかあります。
例えば、
・リビングルームとしての教室
・マルチエイジの学級編成(異年齢学級)
・サークル対話
・他
などがあげられます。
参照:日本イエナプラン教育協会
https://www.japanjenaplan.org/jenaplan/
その歴史を見てみると、
1923年、ドイツのイエナ大学の教育学教授だったペーター・ペーターセンが大学内に実験教育として始めた「人間の大学」が起こりです。
人間の学校
「人は、、、常にトータルな(全人格的な)人として待遇される」
共同体としての学校
「共同体としての学校は、自由と創造性を育てる苗床、連帯と博愛を育てる苗床である」
「イエナで私たちが育てたいと思っているのは、共に生きるということ、本当の共同体における社会生活そのものだ」
そしてドイツで生まれたこの実験教育は大戦以後、ドイツでは広がらなかったそうです。
しかし、そのイエナプラン教育は1964年、自身の子どもが受けている学校教育に不満を持っていたスース・フロイデンタール氏によってオランダ教育界に広まります。(ちなみにオランダではこのイエナプラン教育を含む5種類の教育があるそうです)
そして彼女はイエナプランの本質を8つにまとめました。
つまり、イエナプラン教育とは、
そして、講演会を聴いて感じたことが大きく2つありました。
【参照・抜粋】
・配布資料「イエナプランのビジョンと実践に学ぶ 自治体レベルの教育改革にどう活かすか?」
・「オランダの教育~多様性が一人ひとりの子供を育てる」リヒテルズ直子・著/平凡社
正直なところ、今回の講演会に参加するまで「イエナプラン」ってどんな教育だったかな?と忘れていました。ではなぜこの講演会を聴きに行ったのか?
実はアートコンパスを始めたころ、公教育以外の教育、つまり世界の様々なオルタナティブ教育(アメリカ、イギリス、オランダ、日本など)についてリサーチをしていた時、今回の講師であるリヒテルズ直子氏の本を何冊か読んでいて、とても影響を受けた研究者の一人であったからです。(でも忘れている始末。。。情けない)Facebookで今回の情報を知った時は「行く!」と即決でした!
話を戻すと、
ぼんやりとした記憶のまましばらく講演を聴いていた時、まず初めに感じたことはイエナプランのいくつかの大切なポイントをアートコンパスですでに実践していることに気が付きました。
「そりゃそーか!」と、あの時のリサーチで様々な世界の教育から自分がこれだ!というポイントをかき集めたコラージュ作品=アートコンパスと言っても過言ではないからです。勿論その時点ではあくまでも「理論」の状態ですから、「実践」を通してたたき上げ、今の現在進行形に至ります。
その事に気づいてから、水の入っていないコップではなく、コップの中にすでに水が入った状態で、その水の中身を覗き込むように頭を切り替え、「アートコンパスに改めて必要なことは何なのか?」「イエナプランから再度、参考にできる重要な要素があれば、それは何か?」等を、リヒテルズ氏の一語一句をかみしめながら再確認を行っていき、結果的に改めてイエナプラン教育の素晴らしさと、子供から大人まで地域の教育に関わる全ての人々の自由裁量の視点と、対話の大切さを再確認できました。
現在、つくば市では市の教育方針を定めるべく、「つくば市教育大綱」なるものを策定しています。
https://www.city.tsukuba.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/004/919/zenkyousiryou1.pdf
その詳細については省かせていただきますが、本日の講演にて、つくば市が新年度から、子どもたち・保護者・教員等の自由裁量の観点(共同の学校)から対話を活性化し、市内各地域における各学校の多様性が展開されていくこと、そして現在日本教育が抱える様々な課題(発達障害、特別支援、不登校、ひきこもり、教員の勤務体制など)も踏まえ、学びの選択肢の広がりを試験的に行っていく模様です。
結果、仮にこの教育大綱案に沿って地域のNPOや民間団体も積極的に協働していく内容となれば、その協働事業をアートコンパスが行う際、ベースとなる価値観が大部分共有された状態なので、ことがスムーズに運んでいけるのではないか?と感じました。
つまりは行政とアートコンパスの親和性が高く、今現在の公教育における美術教育の課題について、アートコンパスが切り込んでいけるのではないか?と予感しています。
そう思う理由は、やはり公教育の課題にアートコンパスも将来的に参入していかなければならないとここ数年感じているからです。
勿論、そのためには組織自体がもっともっと充実した美術教育のコミュニティとなり、地域からの信頼と信用を得て、現在の任意団体から法人化とした上で、より深く地域社会へ歩み寄っていきたいと考えています。
演題:イエナプランのビジョンと実践:グローバル時代の教育を考える
講師:リヒテルズ直子氏(オランダ教育研究家)
配布資料:イエナプランのビジョンと実践に学ぶ~自治体レベルの教育改革にどう活かすか?
講演会の詳細は市役所HPをご参照ください↓
https://www.city.tsukuba.lg.jp/shisei/oshirase/1004919.html
イエナプラン教育って何?
この講演会の感想をお話しする前に、イエナプランについて簡単にご説明したいと思います。
イエナプラン教育とは、<話す><遊ぶ><働く><祝う・催し>という4つの基礎的活動の循環を通して子どもたちが学校で学んでいきます。
そこでは日本の公教育には見られない大きな特徴がいくつかあります。
例えば、
・リビングルームとしての教室
・マルチエイジの学級編成(異年齢学級)
・サークル対話
・他
などがあげられます。
参照:日本イエナプラン教育協会
https://www.japanjenaplan.org/jenaplan/
その歴史を見てみると、
1923年、ドイツのイエナ大学の教育学教授だったペーター・ペーターセンが大学内に実験教育として始めた「人間の大学」が起こりです。
人間の学校
「人は、、、常にトータルな(全人格的な)人として待遇される」
共同体としての学校
「共同体としての学校は、自由と創造性を育てる苗床、連帯と博愛を育てる苗床である」
「イエナで私たちが育てたいと思っているのは、共に生きるということ、本当の共同体における社会生活そのものだ」
そしてドイツで生まれたこの実験教育は大戦以後、ドイツでは広がらなかったそうです。
しかし、そのイエナプラン教育は1964年、自身の子どもが受けている学校教育に不満を持っていたスース・フロイデンタール氏によってオランダ教育界に広まります。(ちなみにオランダではこのイエナプラン教育を含む5種類の教育があるそうです)
そして彼女はイエナプランの本質を8つにまとめました。
- インクルーシブな思考に向けた養育
- 学校の現実の人間化と民主化
- 対話の重視
- 教育の人類学化
- ホンモノ性
- 自由
- 批判的思考に向けた養育
- 創造性
つまり、イエナプラン教育とは、
- 頭で学ぶ知識やスキルだけでなく、心や手の発達を学ぶための教育
- 子どもたちが既存の社会に適応できるようにするのではなく、自ら社会に関わり、より良い社会の建設に貢献したいと思えるようになるための教育
- 子どもたちが自分と他者を同時に大切にし、みんなで世界を大切にすることを学ぶ教育
- ホンモノの物事を題材に、ホンモノの自分を見出し、ホンモノの問いを持って学ぶ教育
そして、講演会を聴いて感じたことが大きく2つありました。
【参照・抜粋】
・配布資料「イエナプランのビジョンと実践に学ぶ 自治体レベルの教育改革にどう活かすか?」
・「オランダの教育~多様性が一人ひとりの子供を育てる」リヒテルズ直子・著/平凡社
1.イエナプラン教育を再確認
正直なところ、今回の講演会に参加するまで「イエナプラン」ってどんな教育だったかな?と忘れていました。ではなぜこの講演会を聴きに行ったのか?
実はアートコンパスを始めたころ、公教育以外の教育、つまり世界の様々なオルタナティブ教育(アメリカ、イギリス、オランダ、日本など)についてリサーチをしていた時、今回の講師であるリヒテルズ直子氏の本を何冊か読んでいて、とても影響を受けた研究者の一人であったからです。(でも忘れている始末。。。情けない)Facebookで今回の情報を知った時は「行く!」と即決でした!
話を戻すと、
ぼんやりとした記憶のまましばらく講演を聴いていた時、まず初めに感じたことはイエナプランのいくつかの大切なポイントをアートコンパスですでに実践していることに気が付きました。
「そりゃそーか!」と、あの時のリサーチで様々な世界の教育から自分がこれだ!というポイントをかき集めたコラージュ作品=アートコンパスと言っても過言ではないからです。勿論その時点ではあくまでも「理論」の状態ですから、「実践」を通してたたき上げ、今の現在進行形に至ります。
その事に気づいてから、水の入っていないコップではなく、コップの中にすでに水が入った状態で、その水の中身を覗き込むように頭を切り替え、「アートコンパスに改めて必要なことは何なのか?」「イエナプランから再度、参考にできる重要な要素があれば、それは何か?」等を、リヒテルズ氏の一語一句をかみしめながら再確認を行っていき、結果的に改めてイエナプラン教育の素晴らしさと、子供から大人まで地域の教育に関わる全ての人々の自由裁量の視点と、対話の大切さを再確認できました。
2.今後のつくば市公教育との親和性
現在、つくば市では市の教育方針を定めるべく、「つくば市教育大綱」なるものを策定しています。
https://www.city.tsukuba.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/004/919/zenkyousiryou1.pdf
その詳細については省かせていただきますが、本日の講演にて、つくば市が新年度から、子どもたち・保護者・教員等の自由裁量の観点(共同の学校)から対話を活性化し、市内各地域における各学校の多様性が展開されていくこと、そして現在日本教育が抱える様々な課題(発達障害、特別支援、不登校、ひきこもり、教員の勤務体制など)も踏まえ、学びの選択肢の広がりを試験的に行っていく模様です。
結果、仮にこの教育大綱案に沿って地域のNPOや民間団体も積極的に協働していく内容となれば、その協働事業をアートコンパスが行う際、ベースとなる価値観が大部分共有された状態なので、ことがスムーズに運んでいけるのではないか?と感じました。
つまりは行政とアートコンパスの親和性が高く、今現在の公教育における美術教育の課題について、アートコンパスが切り込んでいけるのではないか?と予感しています。
そう思う理由は、やはり公教育の課題にアートコンパスも将来的に参入していかなければならないとここ数年感じているからです。
勿論、そのためには組織自体がもっともっと充実した美術教育のコミュニティとなり、地域からの信頼と信用を得て、現在の任意団体から法人化とした上で、より深く地域社会へ歩み寄っていきたいと考えています。
【問い】
公教育における美術教育の課題は何か?
そしてその課題に対して、アートコンパスが提案できる解決案は何か?
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