第3回「みんなのアート基礎講座」を終えて

 
本日の午後、第3回「みんなのアート基礎講座」を本郷ふれあいセンターで開講しました!

参加者の皆さん、今日はとても日差しが強い中、ご参加頂きありがとうございました。

「フロッタージュ:偶然と連想の世界」を楽しんでいただけたでしょうか?

参加者の皆さんと一緒に!


今日を迎えるまでの約一週間、個人的に天候ばかり気にしていました。というのも今回はいつもと違い、講座前半を屋外(ふれあいセンターに隣接する公園)でフィールドワークを行い、後半をいつものアトリエ内で制作を行う構成になっていたからです。

正直なところ、朝、雨の音で目を覚ました時はがっかりな気分でいっぱいでした。午前中のはじめ、「今日のフィールドワークをどうしようかな?」「屋内でもできないことはないけど、やっぱり屋外でやりたいなぁ~」と思っていたところ、11時頃を過ぎたあたりから晴れ間がのぞき始め、みるみるうちにアスファルト上の水分が蒸発し、快晴に向かっていくではありませんか?

結果的に講座開始時間の13時半には、肌に日差しが強いと感じられるほどの天気に早変わり!
  
 

前半: 公園でのフィールドワーク「フロッタージュで素材集め」


はじめに今日の流れとフロッタージュの実演で説明を行い、早速、お隣の公園に移動しました。


フロッタージュを実演中!

そして約30分ほど、各自コピー用紙(20枚)とクレヨンをセットに、敷地内の様々なマチエール(凹凸)をフロッタージュの技法を通して、その偶然性が強い模様を次々と写し取っていきました。

 
こじんまりとした公園ですが、とても美しい公園です。

 

公園の水道蛇口回りをフロッタージュ!

コチラはロープウェイ下を!
奥に見える茶色の建物が本郷ふれあいセンターです。

コチラは木の表面をフロッタージュしています。
 
フィールドワークを終え、収集したフロッタージュの模様を机の上に並べ、
参加者全員でその模様を共有しました。
 
 

後半: フロッタージュの模様から連想する世界を色紙の上に表現!


次に参加者の皆さんには、四つ切サイズの色画用紙(6色:赤・ピンク・黄色・青・黒・緑)から好きな色を一枚選んでいただき、フロッタージュの様々な模様から連想する具体的な対象を一枚の絵画の中に表現していただきました!

子供達が色紙を選択中!
 

鉛筆で下書きを描き、色とりどりの切り取った偶然の模様を置いては
その画面の位置を確認し、糊で貼っていきました。


コチラはお母さんと私も加わり、二人三脚ならぬ、三人四脚で制作!


海賊船がカリブ海?を思わせる海と夕焼けの空の下で航海中!

今回は夏休みが近いこともあり?色々な海の生物が表現されていました!

振り返り時には、一人ひとり
その描いた対象と工夫した点などを発表していただきました!




実は、今回の講座は一年ぐらい前から暖めてきた内容でした。

というのも「アート制作」と言うと、どうしてもその活動自体が屋内で行うことが多い傾向にあります。昨年まで続いていたその環境を一回でもいいから変えたかった想いがありました。「アートの場所は屋内だけじゃないぞ!」と。

外に出て、自分の目で見るもの、耳で聴くもの、肌で感じるものなど、全感覚を解放しながら、アクティブな活動をアート基礎講座にも取り入れたかった。

そして、その想いに付随して「アート」の中でとても大切な要素の一つである「触覚」を育む上で、自分の手肌でその素材や材料の肌触り(=マチエール)を直に感じながら勉強を行いたかった。また既成の素材ではなく、自分で見つけ、つくり出した素材を用いて制作を行いたかった。

そのことが今日少なからず実現できたのではないか?と思っています。

ただ今日一日を振り返ってみると、約30分間のフィールドワークが参加者にとって短く慌しかったかな?と反省。次回はもう少し時間をかけてやってみようと思います。

とにもかくにも、参加者の皆さん一人ひとりが、後日、実生活の中で今回の経験を反映していただければ、何か良い影響をもたらしてくれればと思っています。
 
 
さて、次回のお知らせです。

第4回「みんなのアート基礎講座」
内容: マインドマップでマイキャラクターづくり
日時: 7月29日(日)13:30~16:00
会場: 未定(本郷ふれあいセンターを予定)
講師: 濱本ゆーきさん
※参加者の募集は6月29日以降に開始予定です。

皆さんのご参加、お待ちしています!
 


番外編: サンプル


勿論、このフロッタージュは屋外でなくても、皆さんのご自宅内やお庭でも紙と鉛筆さえあれば、どこでも手軽に行える絵画技法です。
 
私の方でも一月前に今回の公園を訪れ、コピー用紙と鉛筆で様々な模様を写し取り、サンプル作品を制作してみました。

私の場合、そのいろいろな模様を見ていたら、恐竜の化石のマチエールに見えてきたので、その世界をモノトーンでチャレンジしてみました。

もしフロッタージュにご興味を覚えましたら、是非チャレンジしてみてはいかがでしょうか?とても楽しいですよ!

余談ですが、この「フロッタージュ」は20世紀の美術史において、シュールレアリズム(超現実主義)を代表する画家、マックス・エルンスト(1891~1976)が絵画の中で活用したことでも有名です。

1.床にフロッタージュの用紙を並べ、何を表現しようか連想中!

2.具体的に恐竜とアンモナイトを連想。
用紙をはさみで切って、画用紙の上に動かしながら置いていきました。

3.少しずつイメージが固まっていきました。

4.大体の画面構成が決定

5.細かいディテールを加えながら、完成!


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