色彩のルーツ

今日まで色彩についてリサーチしてきたこと、特に17世紀のニュートンによって色の正体が判明する以前の、東西の色のルーツについて、自分の頭の中を整理することも兼ねて、以下に記載していこうと思います。

ざっくりと調べてみてわかったことが、おもしろいことに東西問わず色彩のルーツにある共通点がありました。

それは、昔の人々は「昼と夜、光と闇の間から様々な色彩が発生している」と捉えていたことです。


例えば西洋の場合、古代ギリシャ時代、あのアリストテレス以来、光と闇の間から色彩が生まれるという世界観が、ニュートンのプリズムによる太陽光の分光実験以降もしばらく渡り続いていました。

そして私たち古代日本人(アミニズム)のルーツも、日の出・日の入り、昼夜の現象から、「明(めい)・暗(あん)・顕(けん)・獏(ばく)」と捉え、つまり、

  明=赤=夜明けの赤い空
  暗=黒=日が沈んだ闇の色
  顕=白=夜が明けて、辺りがはっきりと見えてきた「著(ちょ)」から転じた言葉
  獏=青=明と暗の中間の青みがかった状態

の四色を基本色とし、

6世紀頃、中国から日本へ仏教・儒教の伝来と共に、「陰陽五行説」という哲学思想が運ばれ、その際に「黄色」が加わり、あわせて五色が基本色となった経緯がありました。

この五色は、七夕の短冊の五色でもあり、また今回の講座で使用する五色でもあります。

いろいろと調べていくと興味が尽きません。

今回はメモ書き程度として、ここまでとさせていただきます。

詳しくは今回のレクチャー内で少しお話しできればと思っています。





なお、「陰陽五行説」とは、

紀元前350年頃、斉の国(現在の中国・山東省北部)の思想家・「すうえん」が提唱した思想で、宇宙は「陰陽」と「木=青、火=赤、土=黄、金=白、水=黒」の5元素からなり、その5元素の「相生」と「相克」によって循環しているという考え方である。(「日本の色のルーツを探して」P23-24より抜粋)

「相生」とは、木生火、火生土、土生金、金生水、水生木、というように生み出す関係、
「相剋」とは、木剋土、土剋水、水剋火、火剋金、金剋木、というように互いに剋し合う関係で循環すること。



参考資料:
「日本の色のルーツを探して」・城一夫著・PIE
「色の名前はどこからきたか / その意味と文化」・福田邦夫著・青が書房



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