アーティスト・ナナ!


クリエイティブ文化展

5月11日の土曜日、その日は久しぶりに常磐線を使って東京へと向かっていました。

というのも個別アート支援でお世話になっている筑西市のN子ちゃんが、なんと東京スカイツリーの真下にある東京ソラマチで開催される展覧会「クリエイティブ文化展」に作品を出品することになりました。

先月のアート支援の時にお母さんからその情報をお聞きし、私は教え子の展覧会には必ず見に行くと決めているのでワクワクしながら行ってきました!


その日は土曜日ということもあり、建物内外は日本人や外国人観光客でごった返しだったので、早めに到着した私は人気の居ないテラスを見つけ、13時のオープンまで読書をして時間をつぶそうとしていたところ、隣でなにやら聞いたことがある声が聞こえてきました。

なんとそこにはN子ちゃんと妹さん、そしてお母さんもいらっしゃっていてビックリ!お互い人が多いところは苦手だよね~といった雑談をして、約1時間後に展示会場でまたお会いしましょうということになりました。


展覧会場に入るとそこには100点近くのアーティスト作品が展示されており、N子ちゃんの作品は入口近くの左手の壁に飾られていました。

N子ちゃんの作品の前に対峙した時、感慨深いものがありました。

短い制作期間の中、一人で作品をここまで仕上げることが出来たこと。まだ中学1年生にも関わらず、東京スカイツリーの真下で展覧会に出品出来たこと(お母さんのマネージメント能力の高さ!)。私が中学1年生の頃と比較してみたとき(図工と美術が得意でしたが)自分にこんなことが出来ただろうか?と思ってしまったこと。そしてこの初めての展示会での経験が、N子ちゃんの今後の人生にどう影響してくれるのか?

などなど、作品を前に、そして帰りの電車の中で物思いにふけっていました。今後の未来を担う若手アーティストとこのようなご縁が出来たこと、本当に嬉しく思いました。

アーティスト・ナナ、本当におめでとうございます!




今回の経緯

話は変わって、今回の展覧会の機会はN子ちゃんのお母さんのマネージメント力が大きく関わていたと思います。いつもいつも思うのですがお母さんの行動力とコミュ力が本当にすごいです!感服です‼

N子ちゃんのお母さんから後日詳しくお話を聞いたところ、

スタンドFMのラジオで今回の展覧会主催社である株式会社Bildramの代表の方のお話を聞いていたことから始まります。その方はまだ20代と若く、障碍者の偏見をなくしたい思いから独学で勉強していたアートを用いて活動を広めていきたいと。そしてゆくゆくは障碍者施設を立ち上げたいと語っていたのをラジオで聞き、感銘を受けたお母さんからその方にコンタクトを取り、今回の文化展に参加することになったそうです。

そして今回出品した作品は全てN子ちゃん一人で制作し、その制作の終盤でお母さんから作品の仕上げと額装について私にサポートの問い合わせがあり、5月3日の祝日にN子ちゃん宅へお伺いし、みんなで一緒に額縁をホームセンターに買いに行ったり、作品制作を見守ったりして、5月4日以降の連休で私が居なくても、N子ちゃんとお母さんだけで作品仕上げや梱包、郵送方法などが出来るよう、私のこれまでの経験からお話をさせて頂きました。

言葉で言うのは簡単ですけど、実際やってみると本当に大変な事なんです。作品制作だけでなく、作品の搬入・搬出、関係者へのご挨拶や礼状だったりと、いろいろなことをこなさなければなりません。がしかし、この全てのプロセスがやっている本人からすると本当に楽しくて仕方がないとも言えます・笑

いや~、昔に参加したグループ展や個展を思い出します。

制作風景

※N子ちゃんのお母さんから制作風景のお写真を提供していただきました。

最初は以前個別アート支援でもお伝えした身近にある様々な道具を使っての模様や痕跡を制作した様子が伺えます。



そしてそこから動物も模様を直筆で描いていったようですね~

キリンやヒョウなど。


他にも牛やシマウマ?孔雀の羽模様も見られます。
離れてみてみると、一つひとつが抽象絵画にも見えてきます!
そこにはお家で飼っている「ソラ」という犬だけが具体的に描かれていました。


作品の仕上げと額装

ここから私も加わりました。

展示方法の詳細や最終的な作品のイメージをN子ちゃんとお母さんからお聞きした後、私から過去にアート基礎講座の抽象絵画で行った「トリミング」の方法をご提案させていただきました。

それは下の写真のように「L字」型の画用紙を二つ用意し、動物模様の絵の上に「L字」画用紙を置いて自由に縦横の長さを調節し、自分がここが良いと思える画面に合わせた後、鉛筆でL字の内側に枠線を引いてから、その線に沿ってハサミで切っていく方法です。

この方法の面白いところは、答えが一つではないということ。
そして作家本人の美しいと思うセンスによるところです。

その方法をN子ちゃんの前で実演すると、すぐさま理解し、
早速各模様の画用紙を一枚ずつトリミングしていきました。






そして何枚か切った後、四つ切サイズの画用紙(黄緑色)の上に置いていき、全体のバランスを糊付けせず調整して行きました。この時点で時間になってしまったので、私からこの後の制作方法をざっくりとお伝えし、後日、連休を使ってN子ちゃんはお母さんと二人三役で額装も含めて完成させ、作品を会場へ無事に郵送することが出来たとのことです。

↓↑ 後日の様子 ↑↓
最終的に模様のパターンも細かく切り、画面の余白にも敷き詰めたようです。
画面構成も素晴らしいです。
この作品の中心は勿論、右下のソラです。そして鑑賞者の目線は左上の牛の模様に移り、
そこから左下の余白へと動くように計算されています。
そのために濃いオレンジの虎模様が右上と左下で挟むように置かれており
視線の動きを効果的に演出しています。
N子ちゃんいは画面を広く見せる意識がすでに出来ています!

おしまい!

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