紙版画でピカソ風自画像 in T-KIDSシェアスクール



はじめに

今日は朝から雨が降り続き、肌寒い一日となりました。
今回はT-KIDSシェアスクール柏の葉校で一コマのアート教室を開催させていただきました!
その内容は「紙版画でピカソ風の自画像を表現しよう!」です。

今回の参加してくれたのは、小学1年生~3年生の低学年の子供たち。
一体どんなピカソ風の自画像が出来たのでしょうか?
早速、写真と共に振り返って見ていきたいと思います。


概要

内容:「紙版画でピカソ風の自画像を表現しよう!」
日時:2021年10月17日(日)13:00~15:00
会場:T-KIDSシェアスクール・柏の葉校
参加者:5組(各保護者同伴の計10名)+中村

タイムスケジュール

13:00~13:10 ご挨拶と自己紹介(お名前・年齢・好きな事)
13:05~13:20 ミニレクチャー「ピカソ物語」
13:20~13:30 実演
13:30~14:15 制作前半:版(はん)づくり
14:15~14:20 小休憩
14:20~14:50 制作後半:摺り
14:50~15:00 作品の発表(お名前・工夫してみたところ・難しかったところ)
 
 

① 版(はん)づくり


紙版画とは、画用紙をはさみやカッターで切り取っていき、糊で貼り合わせながらイメージの形を起こしていきます。つまり、版(はん)をはじめに制作します。

今回は八つ切りサイズの画用紙を各参加者へ3枚お配りし、そのうちの1枚を台紙として使用しました。

そして次に、その出来上がった版にローラーを使って、版画用水性インク(黒色)をムラなくのせ、用紙を版の上に重ね合わせ、馬簾(ばれん)で力を込めて摺り、用紙を版からはがすと絵柄が反転した形で簡単に出来上がります。

木版画のように彫刻刀も使わない安全性と、その簡単に出来てしまう内容から、小学校では小学1・2年生など低学年の図画工作でよく取り上げられる技法となっています。


今回はその技法に加えて、あの20世紀最大のアーティストと呼ばれた「パブロ・ピカソ」を取り上げ、ピカソ風の自画像制作という課題内容にしてみました。

参加者の子供たちへ「ピカソを知っている人?」とはじめに尋ねてみると、半分の子供たちが知っている感じでした(驚)

そして制作の前に「ピカソ物語」と題したスライドレクチャーをお見せし、簡単にではありますが、ピカソの生い立ちやその画風の変化(幼少期や青年期の写実的な画風【青の時代や薔薇の時代)やキュビズム、他】などを画像を通してお話をさせていただきました。

正直なところ、子ども達にそれまでの絵画の常識(一点透視図法)やキュビズムのお話を伝えることは難しく、けれどピカソのキュビズム以降の子供が描いたような絵画の数々から、参加者の皆さんが各々の感じ方で「ピカソ風」を表現してくれたらなぁ~という思いが密かにありました。



版づくりはお母さんやお父さんも一緒になって制作しました。
子ども達が鉛筆で描いた下絵に沿ってチョキチョキとはさみを走らせていきます。
正直なところ、この版づくりが一番大変だったと思います。
ですが、この段階をクリアーできれば、摺りあがる作品もまた素晴らしい仕上がりになるはずです!



② 摺り(すり)


普段の生活の中で、ローラーや版画インクなど使用する機会は滅多にないと思います。
また何人かの子どもたちは紙版画自体を体験するのが初めてで、「早く摺りを始めたい!」と小休憩もそこそこに、またお母さんたちの戻りを待たずに始めてしまう子たちの中にはいました・笑

子ども達はインクをローラーにつけ、勢いよく転がしながら、額には汗をかき、楽しそうに摺りを体験していたのがとても印象的でした。


版画の魅力は何と言っても、仕上がりの表情が全く同じものを複製できないことです。
インクの付け具合や、馬簾の力加減などで表情が異なってきます。
そこがまた版画の魅力であり、醍醐味です。

「摺り」で力尽きました・笑

摺りは約30分と短い時間ではありましたが、一人4~5枚摺ることが出来ました!
その額から汗もにじみ出ていた気がします。

そして摺りあがった作品の中からベストなものを選んでいただきました。


③ 作品の発表

小学1年生の女の子(紙版画は初体験!)
浮世絵、特に葛飾北斎が大好きで、今回参加したとのこと。
木版画ではありませんでしたが、とても初めての作品とは思えないぐらいの仕上がりです!
また作品からは女の子の明るい人柄や溢れるパワーも感じます。

小学3年生の女の子
(前回のスクラッチアートに続き、今回も参加してくれました)
タイトルを忘れてしまいましたが、確か
「私が、私のために」みたいな感じだったかな?
とっても哲学的なタイトルだなぁ~と個人的に感心しました。
彼女の中で「ピカソ風」=「顔の真ん中の線」として捉え、
目や鼻の位置などもずらしての表現!
素晴らしいの一言!!

小学3年生の男の子
(コチラも前回のスクラッチアートに続き、今回も参加)
お顔のほくろや、なんといっても「目」がとても印象的です!
また左下には「にゃんこ」も一緒に描かれていました。
摺りの回を重ねるごとに、コツを掴んでいったようで
最後の摺りで本当にきれいな刷り上がりが出来ましたね!


小学1年生の男の子
版づくりの時、私も一緒にお手伝いしながらお母さんと三人で制作。
男の子の様子を見ていて、とても形に対するこだわりと繊細さを感じました。
そして今回の「ピカソ風」には否定的で、
実際の形に即して表現していきたい思いが強かったので、その方向で進めていきました。
その気持ちを尊重しながら「紙版画の体験」を重視してみました。
満足していただけたかな?

小学2年生の男の子
参加者の中で唯一、身体全身を入れた作品を制作してくれました!
ピカソ風(上手にではなく)を意識しながら制作したとのこと。
最後の最後で摺りがうまくいったようで
インクののりっぷりが良い作品が出来ましたね!


コチラは私の試作品

おしまい



 

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