メモ「分科会④」を視聴して

分科会④「普通教育機会確保法のこれからー法律と制度のさらなる前進に向けてー」を視聴して感じたことを箇条書きにメモとして残します。


登壇者:

 吉田敦彦氏(大阪府立大学教授)

 古山明男氏(おるたネット代表)

 西野博之氏(認定NPOフリースペースたまりば理事長)

 

※吉田氏と古山氏のお話とスライドから引用させていただき、
日本の教育法制の構造をまとめて更新する。(クリックすると拡大してご覧になれます)

l  教育基本法は、つくられた時代を考えると、その文面内容から日本の行く末を見越した素晴らしい法律だと感じた。

l  そこから二つに枝分かれした「学校教育法」と「普通教育機会確保法」

l  その二つは原理的に異なる。(吉田氏の話がとっても明快で、まさに目から鱗だった。)

l  一つは、社会権(平等、機会均等、格差是正)が理念の志向性。

l  もう一つは、自由権(思想・信条・学問・教育の自由)が理念の志向性。

l  学校教育法の中で、国の施策によって図工・美術や音楽、体育の授業時間を削らていれる事実。

l  勿論、学習指導要領を改訂したり(質の向上)各現場で総合的な学習の時間の中で取り入れてみたり(他領域との融合)といろいろな試みはあるにはあるが、どんどん先細りになっていくだけで一向に改善される気配が感じられない。

l  しかし、この分科会を視聴してハッキリと感じたことがあった。日本の子どもたちの学びが全て学校教育法の上に成り立っていたことだ。(そこには広い意味での多様性と寛容性を取り込むことが難しい)そしてよくよく考えれば、学校という箱の中に閉じ込めて、学問を指導するって人間にとって不健康だよね。

l  そして、そもそもアートの本質と学校教育法の本質は一致しない、相容れない?

●互いの根っこが異なるのだから、学校教育法という基盤の上で美術教育を考察していくよりも、別な道を選択する方が賢いように思う。(なければ自分たちでつくる)考え方として、その別な基盤(普通教育機会確保法)を模索するのか、学校教育法そのものを修正していく方法を考えるのか?

l  私がこれまで受けてきたどの日本教育にも違和感を感じ、留学を決意した。その時に学んでいた日々は毎日が楽しく、とても自由で、やっと解放された気分だった。水を得た魚の気分だったことを今でも鮮明に覚えている。

l  なぜなら、私がイギリスの大学で受けてきた教育の原理は、学校教育法とは異なり、過程を重視する「普通教育機会確保法」の原理に近いからだ。

 

l  では今後日本の子どもたちはどうなるのか?

l  二つの法律どちらかを取捨選択するのか?50-50?融合するのか?はたまた別の方法があるのか?わからないが、個人的に美術教育については普通教育機会確保法の上で学ぶ方が一番しっくりくる。(または教科によっては二つの法律を行き来すること、横断することだって考えられる。インクルーシブ・アート・コミュニティ構想の考えに近い)もちろん教育基本法がその下の層として存在し、一番下に憲法がくる。この二つも批判的に見ていく必要もある。なぜならこの二つが是としたうえで、成り立った議論だからだ。

l  結論としてアートコンパスは今後、普通教育機会確保法を推進しつつ、学校外に相当する場(地域社会)において活動を続け、民意の底上げに尽力し、そこでのフィールドを広げていくこと。と同時に、公の仕組みにも積極的に働きかけつつ、学校内(学校教育法)において交わる機会やチャンスがあれば、そこをも攻めていく。あくまでも選択するのは子どもたち(保護者)であり、市民はその多様な場(法、教育機関、学問、人、他)を整備するに徹すること。


※随時、この文面を更新していきます。


参照:

イギリス  多様な教育と子どもたち  第6回オルタナティブ教育

山下博美氏 CHILD RESEACH NET

https://www.crn.or.jp/LIBRARY/GB/06.HTM

コメント