夏の思い出

前回まで、「陰翳礼讃」についてお話してきました。
自分の関心分野ということもあり、ついつい熱くなってしまいましたが、今回は少し熱量を下げて「行灯づくり」についてお話したいと思います。

すでに参加を申し込まれている方たちにはお伝えしているのですが、今回制作する行灯(10cm×10cm×13.5cm)の四面に、この夏の思い出や、過去の思い出などを絵手紙のように描いていきます。(この夏の集大成!として参加を申し込まれている方もいますよ!)

決して難しいことはありません。筆に墨をつけ、心のままに線を描いていき、乾いた後、水彩絵具で着彩していきます。紙が障子紙であることやこの夏の気候もあいまって、あっという間に乾いてしまいます。

もちろん、描く対象が絵だけでなく、文字や文章もOKです!

これから参加を検討している方は、是非、この夏の思い出となる資料(写真や雑誌の切り抜き等)をご持参ください。


例えば私の場合;

この夏や記憶に残る過去の思い出というと、大人になってからは正直なところ仕事漬けだったりと、すぐに思い浮かぶものはなく、その反対に子どもの頃のものが鮮明に残っています。

私の夏の思い出=父方の実家である山口県萩市の思い出です。

萩の祖父母とともに

恥ずかしながら、実は生まれてこのかた、萩市に行ったことは5回ぐらいしかないのですが、萩の街並み、食べもの、小高い山並みや美しい海などかなり鮮明に残っています。

足元に海草がからみつて気持ちが悪いと思った初めての海水浴や甘い醤油でつけた新鮮なお刺身、祖父が点ててくれた抹茶の味、大人になってからおじたちと飲んだお酒など。

特に萩のおばからは年末になると、萩の特産品(かまぼこやふりかけ、魚の燻製など)を茨城へ送って頂き、あまり離れた距離をこれまで感じたことがありませんでした。

そこで私はサンプルを作成時、行灯の四面に、その中でも特に記憶に残る「夏みかん」「萩焼」「ごぼうまき」「萩城の城壁」を描いてみました。



そして暗闇にその光をともしてみると、なんともいえない哀愁感が漂ってきます。


みなさんのこの夏の思い出はいかがだったでしょうか?

楽しい思い出となりましたか?それとも苦い思い出となりましたか?それとも言葉には表せない思い出となりましたか?

その気持ちを絵筆を伝って、秋の訪れを感じながら振り返り、小さな光と影の中に描いてみませんか?

当日の出会いを楽しみにしています!

それでは会場にて。




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