みんなのアート工房「シルクスクリーンでTシャツづくり!」を終えて


はじめに

昨年度に続きこの夏も講師に友人の伊藤隆之氏をお招きし、シルクスクリーンでTシャツづくりを開催しました。昨年のこの時期はまだコロナ禍で、参加者の募集を含めた運営がとても大変だった記憶があります。

しかしこの夏はたくさんの参加者が集まり(その内の二組は昨年度の参加者)とても賑やかなアート工房になったのではないかと思います。その要因の一つとして、アートコンパスでは初めての大学生ボランティアを加えてのアートコミュニティプログラムとなりました。

ボランティアの塚本健斗君(國學院大學4年生)は伊藤君が勤める学校の元教え子で、そのとき美術部の部長を歴任。そして現在は東京都内の小学校教員を目指している学生さんです。

結果的に塚本君がいてくれたおかげで大変助かり、私も安心して二人に現場をお任せして裏方に徹することが出来ました。二人には感謝の言葉しかありません。本当にありがとうございました。

そしてTシャツづくりでは、参加者の皆さんには事前に下絵の準備をお願いし、かつ3時間という長丁場の制作となりました。ところどころ待ち時間もありましたが、制作の過程で昨年とは異なる新たな気づきや課題点を見つけることが出来、今後の活動につなげることが出来ると個人的には感じています。

そして何よりも参加者一人ひとりのTシャツがまさに十人十色!

はじめに参加者が持参してきた下絵と清書した原画を見たときに「なんて面白いんだろう!」と感じ、さらに各自選んだ色のTシャツとのプリント後に「こうなるんだぁ~」と感心しきりでした。

世界でただ一つのTシャツ、しかも自分の手で作ったものに対して愛着がわかないはずがありません。記録写真からも子どもたちの喜びがダイレクトに伝わってきました。

唯一無二のオリジナルTシャツでこの夏を楽しく、嬉しく、美しく彩って頂ければと思います。

参加者の皆さん、本当にお疲れ様でした!

概要

みんなのアート工房
内容:シルクスクリーンでTシャツづくり
日時:2023年8月6日(日)13:30~16:30
会場:本郷ふれあいセンター・会議室1
参加者:16名(子ども:7名+大人9名)
講師:伊藤隆之氏
ボランティア:塚本健斗氏(國學院大學初等教育学科4年生)
主催:Art Compass

<タイムスケジュール>
13:30~13:35 ご挨拶と講師、参加者の自己紹介
13:35~13:50 ミニレクチャー(シルクスクリーンの説明)
13:50~14:45 原画のデザイン
14:45~15:15 スクリーンの製版
15:15~15:45 水洗い・木枠づくり
15:45~16:15 摺り(プリント)と乾燥
16:15~16:30 講師・ボランティアからのコメント、みんなで記念撮影


以下、制作過程の順に詳細をご覧ください。

ミニレクチャー(13:35~13:50)

伊藤君が勤める学校の海外研修でタイに訪問し、
現地の子ども達とTシャツづくりを通して交流したお話を聞いているところです。
塚本君も研修に参加したうちの一人だったそうです。

原画の清書(13:50~14:45)

事前に25㎝×25㎝の枠の中に鉛筆で下絵を描いていただきました。
当日はその下絵に黒のマジックペンで清書しているところです。

清書した後は、さらにハッキリと黒白の画にするために
ふれあいセンター事務室にあるコピー機をお借りし、コピー(A3サイズ)していきました。

スクリーンの製版:露光(14:45~15:15)

手づくり露光機の上に、透明板、コピーした原画、シルクスクリーン、木枠、白の厚紙
の順番で重ね、暗室で4分間の露光を行います。
2台制作したので2人ずつ露光を行い時間短縮の工夫。
上の写真は伊藤君が参加者に露光の説明を行っているところです。

水洗いと乾燥(15:15~15:45)

4分間の露光が終わると、水をはった桶にシルクスクリーンを入れ、
筆を使って手際よく洗っていきます。
すると光の当たっていない場所(原画の黒色の部分)の感光乳剤(紫色)が流れ落ち
光の当たった場所(原画の白色の部分)は感光乳剤が固まって
原画の模様が浮き出てきます。

課題点①
原画の細い線の箇所が特に流れ落ちずらい傾向があった。

考えられる原因
1.暗室から出てもっと手際よく水で洗わなければならなかった?(桶も大きなもの)
2.露光時間をもう少し短くする必要があったのか?例えば3分30秒、3分など。
3. シルクスクリーンの目が120番を使用。もっと細かい150番があるとのこと。そちらの方が細い線の画に適しているのか?

兎に角、この課題点は継続検討です。

木枠づくりと摺り(15:45~16:15)

時間短縮の為、木枠にはあらかじめ両面テープをつけておきました。
水洗いしたシルクスクリーンを乾燥させて木枠にセロテープで取り付けていきます。
ちなみにこの木枠は百円ショップのコルクボードの木枠です。
内のコルクを外したものを使用↓↓



そしてプリントするときは、裏写りしないように
新聞紙をTシャツの内側に差し込みます。


使用したヘラを置くヘラ置きのもの(割り箸など)が次回必要ですね。
今回は黒と白のインクに加えて、新たに赤を加えてみました!
赤も生えますよね~






嬉しさが伝わってきます!

プリント後、道具と木枠のスクリーンについたインクをお掃除中。
この木枠スクリーンは水洗いすれば、何度でも使用可能です。
今回の参加者の中には、帰宅後にトートバックとインクを発注し、
同じ原画でプリントにチャレンジされている方もいらっしゃいました!


ギャラリー

二人の兄弟は昨年制作したTシャツを着て今年も参加されました!

個人的にこのTシャツ大好きです!
子どもだからこそ描ける生きた線が力強い!

昨年からの連作かな?恐竜博士!


宝石の部分が写ってくれて良かったです!
ライトパープルの生地に白色のプリントも素敵です。




「あーとこんぱす愛」を感じます!


コチラは体調不良で欠席された妹さんが描いたもの
お母さんが代わりにプリントされました。
この夏のアートコンパスでの思い出(夏野菜と卵恐竜)がぎっしりと詰まっています!


コチラの原画でトートバックのプリントにもチャレンジ!
是非いつか作品を見せてください。



アイスグリーンに白色のミニオンズ!
清々しくて夏のTシャツにピッタリです。



おしまい


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