10月の個別アート支援(前半)

10月8日の今日は暦の上で「寒露(かんろ)」、つまり秋の長雨も終わり、野の草花に宿る冷たい露を意味するそうです。本格的な秋の到来ですね。

そして今夜は秋の収穫に感謝しながら月を愛でる「十三夜」でもあります。


そんな素敵な一日の午前中、筑西市に住むN子ちゃんの個別アート支援を行ってきました。

今回の内容はと言うと、ずばり「フロッタージュ」です。

あまり聞き慣れないワードですが、お金などのコインの上に紙を敷き、その上から鉛筆でシャカシャカとこすり出し、お金の模様が写るあの技法です。

余談ですが、このフロッタージュは立派なアート技法のひとつで、シュールレアリズムの代表作家である「マックス・エルンスト」も活用した技法です。


前回の終わりにお母さんからリビングに飾ってある作品(アート支援初回の作品:ピカソ風のお母さんの似顔絵)をそろそろ入れ替えたいとのご希望もあったので、その作品制作作りを今回と次回の2回に分けて行うことをご提案させていただきました。

具体的には、前回盛り上がった様々なドローイング表現の体験に加えて、新たにフロッタージュの技法を加えて作品の為の素材づくりを今日行い、次回にその素材を使って大きなコラージュ作品(四つ切サイズ)を制作するというものです。

フロッタージュの素材で制作したコラージュ作品(私作)


初めに私から「フロッタージュ」について口頭で簡単に説明し、小銭や輪ゴムを使って簡単な実演を行った後、コピー用紙とクレヨン、色鉛筆、濃い目の鉛筆(2B~4B)を持って、N子ちゃんとお母さんと私の3人でフロッタージュを外のお庭で行いました。

車のナンバープレートや木の柱、物置小屋の壁などなど、やってみるといろいろな場所が見つかりました。不思議なもので普段見慣れた景色でも、凹凸やマチエール(肌ざわり)を意識しながら眺めるのとでは別物に見えてきます。特にN子ちゃんは車のナンバープレートがお気に入りのようでした。

時間にして20~30分、あっという間に3人で20枚ほど出来てしまい、一旦室内へ戻りました。当初の予定ではこの後、前回の様々なドローイング表現を行う予定でしたが、もう少しやってみたい雰囲気だったことと、N子ちゃんの気持ちを確認して、フロッタージュを続けることに決定しました。


改めて道具一式を持ち、3人で家の周りを歩きながらフロッタージュの旅へと出ました!

家の周りでも、N子ちゃんは具体的な対象が写し取れるものに対して
気に入っていた様子でした

クレヨンと異なり鉛筆の方がより繊細に細かく写し取れることが出来ました。


歩いた距離は1kmもなかったと思うのですが、振り返ると1時間近く歩きながらフロッタージュをしていたことになります。

昨日までの雨の影響で地面が濡れていて無理かな?と心配していたのですが、乾いたマンホール等のデコボコした蓋や、アスファルトの割れ目などなど、結構見つかるものです。


そして家に戻り、素材を全て床に並べて眺めてみました。

この時間内でざっと40枚も!


なかなかの量になりました。次回はこの中からさらに厳選してコラージュの技法で具体的な対象を表現していく予定です。

どんな作品になるのか?楽しみです!

<続く>


追伸:

後日、N子ちゃんのお母さんよりご自宅で行ったフリッタージュのお写真を頂きました。

次回のモチーフは「孔雀」かな?完成作品が楽しみです!





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