第3回 みんなのアート基礎講座を終えて



はじめに

当初、8月のみんなのアート基礎講座で開催予定だった「抽象絵画を楽しもう!」でしたが、この夏のコロナ禍により9月と合わせて立て続けに中止となり、今回、三度目の正直でやっと開催することが出来ました!

天気は快晴!けれど気温はもうすっかり秋・泣

少々肌寒い日となりましたが、ずいぶん見ない間に背丈が大きくなった子ども達が、元気いっぱいにブルーシートの上を駆け回っていたのが印象的でした。

また今回の参加者の中で、茨城県日立市からわざわざお越しいただいた方も!!

参加者の皆さん、本日は本当にお疲れ様でした。

概要

内容:第3回みんなのアート基礎講座「抽象絵画を楽しもう!」
日時:2021年10月24日(日)13:30~16:00
会場:本郷ふれあいセンター・会議室1
参加者:幼児・児童(5名)+大人(3名)+中村

<タイムスケジュール>
13:30~13:40 ご挨拶+自己紹介
13:40~13:50 ミニレクチャー「抽象絵画」
13:50~14:00 デモンストレーション
14:00~14:45 制作前半:アクションペインティング
14:45~15:00 小休憩
15:00~15:45 制作後半:トリミング
15:45~16:00 作品発表


① アクションペインティング

今回の参加者は3組の、計6名が制作者。

制作に入る前に、プロジェクターを使ったレクチャーで抽象絵画と具象絵画の違いや、アクションペインティングなどについて(画像多めに)説明させていただき、その後、私の方で簡単なデモンストレーションを披露。

そしていよいよ参加者は各自の持ち場に戻って制作をスタートしました。

筆に絵の具をつけて、ドロッピングする子ども達。
両手に絵の具をつけて、名付けて「ハンド・ペインティング」をする幼児。
それぞれ制作方法にも個性が出ているように感じました。

会場中央に、絵の具やクレヨンなどを配置。
絵の具が足りなくなれば、すぐに取りに行ける距離にしてみました。

画面の中で色と色とがにじみ、響き合う様子がとても美しいですよね!

太陽のような?宇宙のような?

手前の女の子
他の子供たちと違って、バットの中で自分のイメージに合う色味を調整し
それからドロッピングを行っていました。
色味は渋めで私好みの色合いです!

画用紙の周りをグルグルと回りながら筆を大きく振ってアクションペインティング!
後で制作者である男の子のお母さんから「木」をイメージして描いているとのこと。

彩度のある色味を描いてから、黒色や白色を足していきました。
画面がしまっていきましたね。

隣のお姉ちゃんも一緒にハンド・ペインティングに挑戦。

黙々と集中して制作していました。
まるで「静寂」を表現しているかのような筆使いでした。


画用紙を縦・横・斜めに傾けながら、絵の具の「たれ」を利用して
たくさんの線を施しています。



一見すると、一色の緑色だけかと思われますが、
微妙な色合い(緑色・青・鶯色)を重ねて表現。

このあたりから女の子の作品に「絵画の厚み」が加わっていきました。

筆を使って下地の形を曖昧にしているかのようです。



空から地上を俯瞰してみたどこかの地図のようにも見えますね。

制作の手が止まりません!



② トリミング

アクションペインティングが終わった後、ドライヤーで乾燥させました。

夏場であれば10分もしないうちにあっという間に乾燥してしまいますが、今は10月下旬、さすがに絵の具の乾きが遅く、四苦八苦です。

けれどなんとか乾かした後、L字型の画用紙2枚を使って、ココからトリミングの工程に入っていきました。

ちなみにトリミングとは「写真や画像から必要な部分だけを抜き出すこと」です。

このプロセスを通して、より自分が想像もしていない抽象画を抜き取ることが可能となります。但し前半の制作で、せっかく大きな用紙に作品を描いたので、切り取るのが嫌な方は、もう一枚抽象画を描くことが出来る選択制にしてみました。(結果的に全員がトリミングを選択)


トリミングのコツはとにかく自分の感覚で「ピンときた!」がポイントです。

言葉じゃなく、感じることを物差しとして自分の抽象絵画を決めていきます。



なにやら女の子の表情が段々と曇ってきました。
後で分かった事なのですが、どうやら女の子は作品をハサミで切りたくなかったらしく、
途中から切ったパーツをお母さんと一緒にセロハンテープでつないで修復していきました。




③ 作品発表

作品発表の時、参加者一人ひとりが白色の画用紙(台紙)の上に作品を、参加者から見て「天・地」を決めて置きました。

そしてお名前と合わせて、自分のベストワンの作品とその理由を発表していきました。

川のように流れる絵の具たち
女性の方は左上の作品が一番。
その理由は流れ出る源流のイメージから。
不思議なもので他の参加者にどの作品が好きですか?と尋ねると、
皆さんの好みはバラバラだったのが印象的でした。
そしてその理由も様々です。

このようにトリミングすることで
最初の大きい画面で描いていた自分の中の「意識的な部分」がより薄れ消え、
まるで自分が描いていないかのような、
けれど、確かに自分の手で描いた様々な表情を持つ抽象絵画がたくさん生まれていきます。

また作品一つひとつを組み合わせ、
集合体の作品としての見せ方もありですよね。

作者曰く、虹が見えたとか。
個人的には「秋」のエネルギーを爆発的に感じます!

なかなか思うような色合いを出すことが出来ず、制作が止まってしまいました。
お母さんが代わりにトリミングを。

講座終了後、私の反省及び課題点として
どうしたら女の子が楽しく抽象絵画と向き合うことが出来たのか?
引き続き、考えていきたいと思います。

中央下の小さい作品がベストワンだそうです。
皆さん、想像してみてください。
実際には縦横約7~8㎝ほどの大きさですが、
もしこの作品が壁一面の大きな作品だとしたら。
ものすごく迫力のある作品になったりしませんか?
そんな「イメージの遊び」も可能です。

おしまい!


次回の告知

今年度はいよいよ残すところあと11月と12月の活動のみとなりました。
もしお時間がありましたら、是非また遊びに来てください!

11月14日(日) みんなのアート広場(希望者:ドローイング講座含)
11月28日(日) みんなのアート基礎講座「紙版画でピカソ風の自画像を表現しよう」を検討中(段ボール工作を変更して)


追伸:

今回日立市からご参加いただいた國井さんは、同市で絵画教室を運営されている方でした。

講座後に近くの喫茶店で教室の運営やアートカリキュラムを準備する上での苦労話などなど、たくさんの情報を共有させていただきました。

本当に貴重なお時間をありがとうございました。

私は茨城にUターンして、身近に美術教育を行っている方は正直あまりいないので、同じ立場として意見交換が出来て、とても参考になりました。

もし日立市のお近くの方で絵画教室にご興味のある方は是非「アトリエノビ」をチェックしてみてください!

▼アトリエノビのホームページ▼

http://atelier-nobi.com/


追伸2:

後日、参加者の方からお家に飾った額付きの作品のお写真を頂きました!

額に入れて飾ると、作品がまた違って見えますよね~ 素敵です。




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