後記:参加者からの声

先日開催した第1回「みんなのアート基礎講座」終了後に、参加者の一人からメールにて御礼と共に貴重なご意見をいただきました。

正直その内容は、とてもクリティカルなご意見だったのですが、今後の活動を進めていく上でとても貴重かつ重要なものとして受けとめ、今回のブログの方に書きとめ、その内容を皆さんと共有していきたいと思います。

以下、大きく4点について、「Q&A」で記述していきます。

 
 Q.1 子ども用のイスがあると便利です。

A.1
基本的にアートコンパスは公共施設の会場を利用しています。その為、各施設の設備環境によるところが大きい為、コチラとしては今後、以下の対応を行っていきたいと思います。

  1. 利用する施設職員へ子ども用のイスがあるかどうかの確認を行い、適宜利用者の声を施設の終了報告書に記述報告する。
  2. また同時に、あらかじめ参加者へ施設状況を周知させた上で、各参加者へ必要な備品(イスが低い場合、座布団等)をご用意していただく。

  
Q2. 小さいお子さんでも理解できるスライドレクチャー(内容が短めで画像が多い)を希望

A2.
スライドレクチャーの長短について、その内容を各参加者が「長い・短い」、「文章が多い・画像が少ない」と感じるのは、正直なところ個人差(主観)に関わりもあると言わざるを得ません。 

ただ私のこれまでの経験からでは、構成の大きな項目は3~4項目、全ページ数は20~30ページ、かつ1ページに一つのメッセージ、全体の時間が2時間半だとすると、レクチャーは15分ぐらいが小さいお子さんでも飽きずに最後まで聞いてくれるのにちょうど良い?といった感覚があります。

ただこの感覚にはこれといった根拠がないので、(あくまでも私個人の主観的感覚です)今後、レクチャーやプレゼンテーションの参考本等を読んで勉強していきたいと思います。

また今回は第1回目ということもあり、アートコンパスの概要説明も含め、全体として少し長めになってしまいました。しかし、基本的なアートコンパスのスタンスは、各講座内容によって、全てが画像のみのレクチャーであったり、文字が多めの内容であったりと、各講師の判断に委ねて行きたいと考えています。もちろんそこに必ず講師の意図があった上でのことです。

また、スライドの中に文の記述があった場合、小さいお子さんでも理解しやすいようなるべく漢字には「ルビ」つまり「ふりがな」を付けていきたいと思います。
 
 
Q.3 振り返り:参加者の作品発表の方法について

「家族で1,2名の発表でもいいのでは?例えば、家族内で役割分担を決めて、発表役、モノを取りに行く役、絵を選ぶ役、など。」

A.3
実は今回の参加者はご家族単位(7家族)で構成された経緯がありました。そして今回たまたま個人で参加された人がいなかった背景があります。その上で、参加者のプレゼンテーションについてですが、基本的に小さいお子さんから大人まで、分担制ではなく、制作した参加者一人ひとりがたとえ時間がかかっても「自分の意見を他者に伝えること」をアートコンパスでは大切にしていきたいと考えています。(もちろん、ご提案頂いた発表アイデアは、家族内のコミュニケーションや連携を図る上でとても素晴らしいアイデアだと思います。)

もちろんこの作品発表は参加者が必ず強制的に行うものではありません。参加者によっては人前で発表することを苦手とすること、言葉で伝えることが難しく感じるなど、個人差があります。その場の状況に応じて私から助け舟を出したり、小さいお子さんの場合は保護者の方へ代わりの発表をお願いしたりと適宜対応している次第です。
 
先日の発表時、こんな出来事がありました。あるお子さんが発表する際に言葉に詰まった時、別のある女の子が横から「がんばれ!」と応援する声が聞こえてきました。そのような偶発的な出来事や関係性も含めて、一人ひとりの発表する時間を見守りたいと考えています。

作品発表のワンシーン
 
 
加えて、たとえ「今」一人の参加者が作品の発表ができなくても、いつか出来るようになるそのときを私は「待ちたい」と思います。人によって何かを成し遂げることには発達段階や個人の差があります。たとえ一般的に「このぐらいの年齢ではこれぐらいかかる」といった常識があったとしても。
 
しかしその一方で、アートコンパスの方で「話しやすい環境」を整備する努力は可能だと思いました。実は今回のご意見を頂いた後、例えば、小さいお子さんが15人も参加者がいる中で発表することは本当に難しいことだよなぁ~と思い反省しつつ、逆に5人ぐらいの少ないグループの中で発表することと比較した場合、そのし易さにの点で大分違いがあると思います。 
 
 
Q.4 参加者間の交流促進

「(Q.3の発表方法について、引き続き、発表方法について、)相互に家族間またはテーブル間でで紹介し合う事にして、双方向性に交流できると、楽しいと思いました。」

A.4
正直なところ、今、この参加者間の交流促進について悩んでいます。

「どうすれば限られた時間の中、参加者同士、それも初対面の方々が気軽に交流することが出来る場をつくることができるのか?それともこの事は大きなお世話なのかな?云々。」

というのもアートコンパスの「インクルーシブアート」の図を見ていただくとお分かりですが、「みんなのアート広場」と「みんなのアート基礎講座」は基本的に「個人制作」がメインになります。この事は決して「他者と交流すること・つながり」を疎外している意味ではありません。
 
その逆に「みんなのアート工房」と「みんなのアートプロジェクト」は「個人」よりも互いの交流、つまり「人とのつながり」を重視したアートコミュニティとなっています。
 
どうしてもこのような各アートコミュニティの性質上、各々の特性・偏りが生まれてしまいます。

但し、今回ご提案頂いたアイデアのように、ちょっとした工夫で家族間や参加者同士の交流ががらっと代わることも可能だと感じています。

例えば、Q.3とも内容がかぶりますが、参加者が多い場合、発表する少数のグループをつくり、そのグループ内で発表後、全体でどのような意見が出たのか?共有しあう方法も考えられます。

この事は継続検討とし、または試験的に行ってみて、参加者の皆さんのご意見を聞きながら、今後よりよい学びの場を作っていきたいと思います。
 
 
 

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