貼り絵

色彩を学ぶ上で、その実践的な学びの方法はたくさんあると思います。

例えば、日本人の色彩について焦点をあてるのであれば、草木染めなどがおもしろいですし、絵具を用いるのであれば、水彩絵具や油絵具を演習的に活用する(色相環の作成や様々な混色の実験など)のも良いかもしれません。

但し、時間や参加費、参加者の年齢層(子どもからシニアのかたまで)などを考慮すると、どうする事が一番良い方法なのか?

普段、私は各講座の準備を前講座開講日の約1週間前から始めます。漠然と「今回は色彩を学ぶ」とだけ頭に残し、百円ショップやホームセンターなどのお店をぶらぶらとうろつき、何か良い材料はないか?と探していたところ、なんと百円ショップに40色の折り紙セットがあるではありませんか!?

百円ショップで購入した40色の折り紙


私が子どもの時は、折り紙というとせいぜ12色、多くても24色ぐらいだったと思うのですが、(金色と銀色が付いていて、子どもの頃はなんだか特別感が漂っていました。)時代は日々進歩しているんですね!

これは色彩学習に使える!と直感的に思い、この折り紙を40色の絵具に見立てれば、すごい作品が生まれるのではないか?(もちろん色味がたくさんあれば良いというわけではありません。)また、ただ貼り絵を制作して完成!だとなんだか味気ない気がしたので、額を付けて、室内に飾ることのできるようにすると見栄えが全然違うはずです。

これも試しに同じお店で購入し、試作品として制作した貼り絵を額にはめてみると、これがまたVerry Goodではありませんか(自画自賛)!

コチラが額にはめ込んでみた試作品


モノトーンの写真がかっこいいですね〜
でもあえてカラーの世界に挑戦!
サイズは2L(12.7cm × 17.8cm)です。



そして次に貼り絵のテーマ(題材)についてですが、いろいろと考えてみた結果、

自分がそのとき、一番気持ちが高ぶるモチーフ

を作品にすることが一番良いのではないか?に行き着きました。その方が参加者の自由度の幅が広がりますしね。

私の場合、

昔の思い出の写真などを見返していたのですが、今ひとつ気持ちがあがらず。たまたまそのときインターネットでイギリスのヘアドレッサー;ヴィダル・サスーンのドキュメンタリーを視聴し、いたく感動していました。

その理由は、留学していた頃のイギリス、ロンドンを思い出し、また、ヴィダル・サスーンのユダヤ人としての民族意識やアーティスト気質に触れて気持ちが高ぶり、彼の代表作の画像から好みのものをチョイスしてデスクトップの画像にするほどのミーハーぶり。

そういえば、自分は思春期の頃から、ヴォーグなどのファッション雑誌(アーティスティックな服とメイク、ヘアースタイルの外国人がモデルの写真)を見るのがなぜか大好きで、またテレビ東京で放送されていた「ファッション通信」もたまに見ていて、(余談ですがファッション通信のサウンドトラックCDも購入するほど!しかし、自身のファッションについては全く気に留めないダサ男。)時間があれば鉛筆で気に入った写真を模写していました。

ヴィダル・サスーンのカットしたヘアーデザインの写真を見て、形はもとより、モノトーンの大胆な構図にもさらにときめき、モチーフはこれに即決!


貼り絵と言えば、やっぱりこの人、山下清氏です!
昔、永谷園のお茶漬けにおまけ(名刺サイズの絵画のカード)が入っていました。
例えばゴッホやルノアールの作品など。私は当時気に入ったカードだけを集めていて
そのうちの一枚がこの作品「清の見た夢」でした。


というわけで、

今回は参加者の皆さんに貼り絵のモチーフ(人物、動物、植物、風景、アニメ、自動車、などなど何でもOKです!)となる資料(写真や雑誌、図鑑など)のご持参をお願いしています。

そしてこの折り紙の貼り絵制作を通して、色彩の楽しさを学び、この秋を美しく彩ることができればと思っています。




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