アート基礎講座の中間報告(振り返り)

この歳になって、月日が経つのが本当に早くなったと感じる今日この頃。

おかげさまで「みんなのアート基礎講座」も前回で後半の6回目を迎えることが出来ました。これも参加者の皆さんや様々な人たちのご協力のおかげです。そして毎回少ない人数ながらもほそぼそと楽しく行っています。

これまでにもいろいろな失敗を繰り返し、そこでの発見や反省点も多々あり、貴重な経験をさせていただいております。自分にとってこれ以上楽しい学び(理論と実践のキャッチボール)はありません。

もちろん自分だけがただ楽しいだけでは、成長はありません。自分が楽しむことはあくまでも何かアクションを起こす大切な基点であり、迷ったときの指標でしかありません。

今回、この「みんなのアート基礎講座」を少し振り返ってみたいと思います。

その理由は、講座全10回の内、半分を過ぎ、いろいろな事がこれまでの経験を通して見えてきたことと、その見えてきたことから、改善点が生じてきていると感じ、その修正を柔軟に出来るところから行っていくべきだと思い立ったからです。

例えば、アート基礎講座の構造につて、

当初、このアート基礎講座を構想する際、その骨格ないし構造を、現在の日本における美術教育のベースと成っているバウハウスの美術教育理論(バウハウスについては別な機会に詳しくお話できればと思います。:1919年、ドイツで美術と建築に関する総合的な美術教育を行った学校)を主な参考とし、そこに私なりのアレンジ(日本の文化・慣習や季節感・地域性の要素)を加えていき、粗い言い方ですが、一年目は先ず、このたたき台を地域の皆さんに投げかけてみて、その反応を探っている段階です。

みんなのアート基礎講座=バウハウスの美術教育理論×日本の文化×地域性


そしてそこから見えてきたことは、

  • 基礎講座の内容(私の提案)と参加者の満足度又は求めているものとの距離
  • 認知的発達理論の見地から見た、子どもたちの反応
  • アート全般に対する都心と地域に住む人々の興味・関心の差
  • その地域(茨城県内の自治体)の中でも、アートや市民活動に対する取り組み
  • 自治体によってアートや生涯学習を含む、公教育に対する行政方針・施策の違いなどなど。

そこから見えてきた最優先次項はやっぱり「参加者の皆さんの満足度」だと思います。

これまでの各回の印象は、講座の構成が大きくレクチャー(理論)と創作(実践)とに分かれているとすると、その比率が4:5ないし5:5のような気がしています。

個人的にはもう少し創作の充実を満たしたいと思い、3:7ぐらいが「いいかげん(良い加減)」ではないかと思います。

そして、アートの最大の醍醐味は何と言っても「感性の喜び」だと思います。

「基礎講座」だからこそ、その原点(基礎)に立ち返り、もう一度練り直す必要があるのではないかと思っています。感性を育むこととは何か?例えば、知覚の視点から見れば、視覚から入る「色彩やかたち」、触覚から入る「質感」など。(音楽は聴覚、料理は味覚と視覚など)

つまり、色彩を楽しむ感性の学習とは何か?かたちや質感を楽しむ学習とは何か?などなど。このことについてはもう少し時間をかけながら検討していきたいと思います。

結果、たびたび申し訳ありませんが、11月の講座内容を以下に変更したいと思います。

11月の講座内容: 
形の操作<私のロゴマーク>→色彩学習2<仮称:点描(新印象派)を通して色彩を楽しく学ぼう!>
日時: 2016年11月27日(日)13:30~16:00
会場: 県南生涯学習センター・創作室



このようになった理由は、上記の「感性の喜び」に加え、

今回、色彩をリサーチしていく中、とても一回の講座では収まりきれないほど楽しい内容(伝えたい内容)が出てきてしまったこと。そしてもう少し私自身が伝えたい内容(自分の個性が反映されるような内容)をストレートに表現していいのではないかと思ったことです。

一般的にアートと言っても様々な分野があります。大きく分類すると「ファインアート」・「デザイン」・「クラフト(工芸)」の3つに分けることが出来ます。そして当初の基礎講座はこの3分野をドローイングを含め、バランスよく提示することが出来ればと思いました。

しかし、私はファインアート(絵画などの平面)の人間です。どちらかというとデザインの分野のように美を通して社会の問題解決に従事するというよりも、自分の中にある「問い」について、美を通して考え続けていきたい傾向が強い人間です。

そして私の持論は、何かを学ぶのであれば、その分野について「好きで好きでしょうがない人」と一緒に学ぶことが、最大の近道のような気がします。

長い目で見れば、再来年に実施予定の「仮称:みんなのわくわくアート工房」のように、デザインやクラフトを含む様々な分野からの人たちを招いて、みなさんと一緒に楽しく学び過ごしていく中で、結果的に、足らない箇所を少しずつ補っていき、バランスよく美術全体を構築していければ良いのではないか?という考えに至りました。

なんだか長々とお話してしまい申し訳ありません。

ただ言える事は、これからも継続していく中で、参加者の皆さんにいろいろなものを提示したり、差し引いたりしながら、お互いにとってちょうど良い「落しどころ」を見つけていけたらと思っています。


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