5月のまるオンラインアート教室

野原に咲く花々を表現!


昨年12月以来、5か月ぶりのアート教室。
 
その久しく味わっていなかった達成感と高揚感で気持ちがポカポカしていました。
と同時に心地の良い疲れと睡魔が襲い、早めの就寝。
  
5月9日(土)の午後、NPO法人まるに通う子ども達とスタッフさんのご協力を得てオンラインアート教室を開催しました。
 
テーマは「フロッタージュ」。

参加してくれた子ども達、保護者の皆さん、そしてまるスタッフの皆さん、オンラインアート教室はいかがだったでしょうか?
楽しんでいただけたでしょうか?
 
 
ご存じのとおり、新型コロナウイルス感染症感染拡大防止のため、私たちの日常は自粛期間中となっています。
このような有事の状況下でも何とかアート教室を開催できないものかと、一月ほど前より代表の村本さんと協議しながら本日の開催に至りました。

そこではいつも以上に準備の段階で、様々な工夫が施されています。
例えば、オンラインの課題内容や基本道具・材料はどう対応するのか?三密を回避し感染予防対策をどうするのか?などなど。
 
それらの解決策として、まるさんの方で手順表の作成や基本材料を参加者へ事前に郵送してくださったり、当日来所した子ども達は部屋を分けたりと、私一人では到底考えることができないアイデアと実践がたくさんありました。
 
そんな中で私の役割は一体何か?と問うた時、それは自分にできる範囲でしっかりと準備をすること。
 
とはいえ私もオンライン会議のアプリを使用したことが数回程度、ましてや自分が進行役でオンラインを進めたことがないので、代表の村本さんにお願いし、前日に基本操作のリハーサル(ZoomとGoogle Meetの2パターン→本番はGoogle Meet)のお時間をいただきました。
 
このような試行錯誤の準備があり、昨日はタイムスケジュール通り、私から見る限り大きなトラブルなく進められることができたと思います。

ご協力いただいた全ての皆さんに、本当に感謝です。ありがとうございました。
 
 
【概要】
テーマ:フロッタージュ

基本道具:はさみ、のり、クレヨン、鉛筆、他
基本材料:色画用紙(台紙)、白のコピー用紙
 
参加者:
子ども達(7名:来所+自宅)+保護者(?名:自宅)
まるスタッフ(3名?)と中村(阿見の自宅)

タイムスケジュール:
⓪ あいさつ(14:00~14:05)
① フロッタージュってなに?(14:05~14:15)
② 中村先生の実演(14:15~14:20)
③ 素材集め(14:20~14:50)
④ 素材の発表(14:50~15:00)
  (5分間の小休憩)
⑤ 作品制作(15:05~15:50)
⑥ ふりかえり(15:50~16:00)


以下、タイムスケジュールに沿って簡単に昨日の模様をお伝えします。

 
14時に参加者が全員揃ったところで挨拶をし、今回のテーマである「フロッタージュ」についてパワーポイントを活用して順次説明を行っていきました。
 
誰もが必ず幼少期に体験したことがあるであろうこのフロッタージュは、フランス語の「frotter(こする)」が由来です。
テーブルの上にコインを並べて、その上に白い紙をかぶせ、鉛筆やクレヨンでシャカシャカこすると、紙の上にコインの形や模様が浮き出てくるあれですね。



2年前の「みんなのアート基礎講座」でも一度行ったことがある内容だったので、その時の制作風景の写真もお見せしながら、またシュールレアリズムの代表作家であるマックス・エルンストのフロッタージュ作品も合わせて簡単な対話型鑑賞を行いつつ、子ども達のフロッタージュに対する興味・関心を引き出しながら、その流れで私の実演に移りました。




その日の午前中にサンプルを制作していた時、フロッタージュの素材集め(興味を引く場所を探す→フロッタージュ)に結構時間がかかるな?と改めて思い、予定の目標を20枚から10枚以上に、時間を20分から30分に修正。
 
子ども達とスタッフさんはそれぞれ屋内外で、様々なマチエールを探しにスタート!
 
さすがにこの時はほとんどの子ども達が画面から姿を消し、遠くからの声しか聞こえない状況(笑・一部のパソコン?をその様子が分かるように屋外に移していただきました)
その声から「きっと楽しんでいるんだろう?!」と推測。この辺りはリモートゆえの難しさですね。
 
再び子ども達がパソコンの前に戻り、集めてきた素材の中からお気に入りのフロッタージュを発表していただきました。

「どこの場所で?どうして気に入ったの?」
 
個人的に目を引いたのは力強い黒色のフロッタージュ。
 
聞くと自転車のタイヤをフロッタージュしたとのこと、そしてその理由は「自転車が好きだから!」
個人的にその気持ちとそのフロッタージュがすごく心に響きました。(「そう!、それがアートなんだよね」と。)

自転車のタイヤが幹となった樹です!
画面からはみ出ているところも躍動感があっていいですよね!



次に、5分間の休憩後、作品制作に移りました。

台紙となる色紙を各自が自由に選び、集めてきた素材をはさみとのりで加工しながら自由に想像した世界を表現していきます。

アート教室終了後の振り返りで、この時の「自由にイメージした世界を表現」が参加者によってはハードルが高かったのかな?と。
ある程度具体的な作品内容=「風景」「動物」「人物」などテーマを絞ってもよかったのかな?と思いなおしました。
 
ただやっぱりハードルは高いけど、個人的には子ども達に集めてきた素材の模様や形から様々なイメージを想像して自由に表現して欲しかったので、これはこれでアリかなと思っています。(勿論この私の恣意に従う必要はありません。表現は自由です!)
 
コチラは3枚の色紙を合わせた大作です!

畳の模様が見事に芝生を表現!

葉っぱの上のカタツムリ!
大きな葉っぱをそのままフロッタージュしたのかな?

お金です!全部欲しいです!!

フロッタージュの模様が家の各所に分けられています。
台紙の色紙と素材の色の響きがとても美しいですよね!



最後の振り返りでは、一人ひとり画面越しに「①お名前 ②作品名 ③工夫したところ」を発表していただきました。
 
 
オンラインで初めてアート教室を行ってみた感想として、通常のアート教室とは異なる長所と短所を含めた様々な感情を抱くことができました。

リモートがゆえに、普段のコミュニケーションとは全く異なる「心むず痒いところ」も正直ありましたし、またその逆に「想像していた以上の可能性」を見出したりすることもできました。

兎にも角にも、経験です。

頭で考えることも大切ですが、実際に自分の手と目と身体で「リモート」を体験し、そこから得る知識と情報は、何事にもかえられない貴重さがあります。そしてここで終わらせず、次にこの経験をどうつなげていけるのか?

今後、世の中がどのように進んでいくのか全く予測できないにせよ、「今、手元にあるツールで自分にできることを精一杯やっていくこと」です。


私も制作「アジサイとカタツムリ」


次回の予告です。

6月も自粛活動になった場合、まるさんと随時協議しながらオンラインアート教室を進めさせていただく予定です。
詳細については追ってご連絡させていただきます。

日程は、6月13日(土)14:00~16:00

それではまた!


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