昨年度の振り返りと今年度の計画・後編

それでは早速、「昨年度の振り返りと今年度の計画・後編」に参りたいと思います。
(以下、4つの項目に沿って話を進めます)

  ① 15カ年計画
  ② みんなのアート基礎講座2018
  ③ 今年度よりスタートする3つのプログラム
  ④ 最後に・・・インクルーシブ・アート・コミュニティ構想

① 15カ年計画


アートコンパスを立ち上げた2015年当初の計画は、漠然と5年間だけのものでした。そこでは大きく3つの対話(自分との対話・他者との対話・世界との対話)をそれぞれのプログラムに落とし込み、「みんなのアート基礎講座」「みんなのアート工房」「みんなのアートプロジェクト」の順で、組織の成長と参加者の規模に合わせて少しずつ進めていく予定でした。

ところが昨年頃から、参加者の皆さんより様々なご意見やご要望をいただきながら、また自身が美術教育やまちづくり等の経験と知識を深めていくうちに、つい最近「きっとこういう事なんだろうなぁ~」と、15年間の大きな計画を思いつきました。(以下)

※画像をクリックすると、拡大してご覧になれます。


この場ではざっくりとお伝えするにとどめ、一言で言うと、2016年度から始まった最初の5年間は、アートコンパスを一つの有機体として考えた時の「基礎の5年」。つまり、アートコンパスの核である「誰もが楽しくアートを学ぶことができる場」の地盤づくりです。ちなみに今年はその3年目にあたります。そして次の5年間が「応用の5年」、そこでは組織作りを意識して、その可能性を模索していきます。そして最後が「実践の5年」とし、地域社会の課題を美術教育を通して解決していく流れを考えています。それは、美術教育に特化した組織づくりから、徐々に地域に必要とされる組織へと成長していく「生きもの」として捉えています。もちろんあくまでも現時点での思いつきなので、一年ごとにこの大きな計画を振り返りながら、適宜、柔軟に修正変更をしていきたいと思います。


② みんなのアート基礎講座2018


以前にもお伝えしたとおり、今年より新スタッフのゆーきさんと私の二人体制で基礎講座を全9回で行っていきます。(詳しくはコチラ)先日のスタッフ会議でいろいろと協議し、今年度は以下のカリキュラム内容で決定しました!


造形操作×2講座、ファインアート×3講座、デザイン×3講座、工芸×1講座となっており、昨年度と大きく違う点が3点あります。

  1. デザインの基礎を学ぶことができる本格的な講座の導入。
  2. 昨年度の反省点で、大人目線からの講座内容を子ども達に伝えるだけではなく、子供目線からの学びの場として、造形操作を意識的に増やしていくこと。(詳細はコチラのブログ
  3. 室内での制作だけでなく、屋外のフィールドワークも加え、豊かな感性を育む多様な機会を増やしていきたいこと。

現時点での計画ですので、講座内容に変更等があった場合、ホームページ等で随時ご連絡いたします。


 

③ 今年度よりスタートする3つのコミュニティプログラム


  1. みんなのアート広場
  2. みんなのアート工房
  3. 出張アートコンパス


1.みんなのアート広場

一言で説明すると、「アートのフリースペース」です。それは子供から大人まで誰でも参加することができ、思い思いのアート制作ができる環境となっています。アートコンパス側からは、基礎講座のような特定の課題提案はなく、基本的な画材(絵具やクレヨン、画用紙や紙粘土等)のみをご用意し、アートができる環境を整備します。その中で、一人ひとりの参加者との対話から、それぞれの個性や感性にあった「今やりたいこと!」を一緒に考えていきます。

この考えが生まれた経緯は、以前から参加者の方々から「絵画教室はやっていないのですか?」「子どもたちの夏休みの図工の宿題を見ていただけませんか?」などのご質問を受けていました。「どうしたらこれらの要望を全部解決できるかなぁ~」と頭の中でぐるぐると巡らせていると、「ごちゃまぜでいいじゃない!」となったわけです・笑。

例えるなら、参加者の10人が10人別々の方向を向いてアートを楽しんでいる混沌としたシェアースペースですが、全体を俯瞰すると、ゆるやかに多様性が表出している空間になっているわけです。それはまるで広場に集う人々が自由に自分の時間を過ごすように!

初年度はとても柔軟かつ実験的な場として、皆さんのご意見を積極的に取り入れながら「心地の良いひろば」を目指し、手探りで始めていきたいと思います。
 
    


2.みんなのアート工房

みんなのアート工房とは、外部から講師の方々をお招きし、その方の専門分野をみんなで一緒に学び、参加者の皆さんにとって新たな経験や知識を得たり、違和感や自分とは異なる価値観を感じてもらったりと、アートの奥深~い世界を一緒に楽しんでいこう!という内容になっています。

ちなみに、世間でよく聞く「ワークショップ」とは、もともと「工房」の意味で、その学びの空間が、講師の方と参加者の皆さんとの協同工房になる!といった想いも込めてこの名前を付けてみました。

尚、今年度は2つのアート工房を企画しています。

「仮称:英語でクッキング」(夏頃: 7~8月)
【講師】ジョン&秀美・ウェイン夫妻
【内容】英会話を通して異文化交流!伝統的なイギリス料理をみんなで楽しく作り、一緒に会食!
 
「未定」(秋頃: 10~11月)
※詳細が決定次第、ご連絡します。
   
 

 
3.出張アートコンパス

出張アートコンパスとは、参加有志者を募り、外部の文化イベントに参加したり、地域の個人・団体様よりアート全般に関するご依頼・ご要望を受け、現場に赴き活動のサポートを行うことです。

例えば、「子ども達に向けたアートワークショップを開きたい!」「福祉施設でアート教室を開いてほしい!」「私たち文化団体と一緒にコラボレーションを行いませんか?」などなど、アートコンパスが皆さんのところへ出張し、そのご要望にお応えします!

実はこのプログラム、昨年から特定の名称がないまま、計画外で始まったものでした。というのも、去年の夏頃から自身の思考を深めるべく「つくば市民大学」で開催されていたいくつかの講座に通い、そこで様々な活動を行っている地域の方々とお知り合いになり、その輪が広がり、結果的にワークショップ依頼等の声をかけて頂ける様になりました。今年からはこの「出張アートコンパス」の名で、引き続き、今後の目標である法人化と事業を見据えて活動を進めていきたいと思います。




④ 最後に・・・「インクルーシブ  アート  コミュニティ構想」


 
ここまでで、かなりお伝えした内容がてんこ盛りなので、次回のブログでこの構想について詳しくお伝えしたいと思います。

それではまた!



コメント