今回の種明かし

今回の基礎講座で活用する絵画技法は、「スクラッチ技法」「スクラッチアート」とも呼ばれています。

最近では画材屋さんなんかに行くと、既製品のスクラッチ教材などが販売されていますよね。
確か近場では、ジョイフル本田の画材屋さんのところにもありました。

そしてこの技法は多分、お父さん、お母さんも含め、ほとんどの人が幼稚園や小学校低学年のときに図工の時間などで体験したのではないかと思います。


「いやいや、あなたの言う “線刻” と “スクラッチ(ひっかく)” は同じ意味なの?」と批判の声が聞こえてきそうですが、個人的にはあまりその細かい違いについては気に留めていません。線を刻むことには変わらないのだから。(ちなみに線刻画を「ペトログリフ」とも言い、岩や洞窟内部の壁面に象徴的な画や文字が刻まれた彫刻のことを言います。詳しくは当日のレクチャーにてご説明します。)


正直、今回の内容をどうしようか?と、いろいろと悩んだ末に、このアイデアが頭をよぎった時、「うぉ~」と心の中で叫び、(だってまさかのクレヨンによるスクラッチ技法とラスコーの洞窟壁画がリンクしたんですよ!すごくないですか?)そして試作品を作ってから数日経っても、しばらく感動にも似た余韻に浸っていました(笑)


「だって、線を刻んだらレインボーですよ!」

すんっばらしい~夢のある魔法のような絵画技法じゃないですか!!!(過保護のカホコ口調)


もちろん、試作品を制作中にいろいろなことを冷静に感じたり、新たな気づきがありました。

例えば、線を刻む道具を、先の尖った鉛筆やペン状のもの、カッターなど先が平べったいもの、道端に落ちているごつごつした石や枝など、いろいろな表情が必然的にも、偶発的にも生まれてくるおもしろさがあると思います。

またその刻み方にも、一味の工夫(強弱や線の重ね具合など)を加えるだけで、表現の豊かさが無限にあると感じました。探究のしがいがあります。

今回は是非とも参加者の皆さんに、この魔法のような絵画技法で、自分が描いてみたい“すんっばらしい〜動物たち”を描いていただきたいと思います。もちろん、その動物は画面の中で一種類一頭でも、何種類の何頭でも自由です!


① 今回は八切サイズの画用紙をご用意します。
先ず始めに、色々な色のクレヨンで抽象絵画のように塗っていきます。

② 画用紙の下地(白)をクレヨンで塗りつぶしました。

③ 次に、今塗ったカラフルなクレヨン層の上に、黒色のクレヨンでさらに塗りつぶしていきます。

④ 全体を塗り重ねましたが、ところどころにまだ下地のカラフルなクレヨンが見え隠れしています。

⑤ 黒のクレヨンで見え隠れするところを更に塗り重ねていきます。
このとき指も使ってこすったりすると上手にマットな画面が出来上がります。
当日、黒のクレヨンの予備は必要ですね。まるまる一本使用しました。

⑥ 筆の反対側や割り箸やカッターなどを使って、ラスコーの洞窟壁画を参考にしながら
いろいろな動物を描いていきました。
描いていくうちに楽しくなってきたので、英語の鳴き声を入れてみたり、
即興で存在しない動物を描いてみたりと、チラシの完成を意識しながらにぎやかにしてみました!



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