土浦薪能

いよいよ秋も深まり、地元茨城では様々なところで文化イベントが開催されています。

そんな中、今日、私は生まれて初めて「能」を鑑賞しました。

2014年に茨城に帰省し、まさか自分が住む近くで能を鑑賞できるとは知りませんでした。

きっかけは数年前、土浦の亀城公園の前を通りかかった時、「土浦薪能」のポスターを発見!

これまで用事が重なり、見ることができなかったのですが、今夜ついにその夢が実現。

あいにくの雨で、亀城公園本丸で薪火の中での開催ではなく、市民会館大ホールでの公演でしたがとても素晴らしかったです。

過去に「歌舞伎」は見たことがあったのですが、個人的な好みとして「能」の方が本能的にしっくりときました。

 
 
演目は、

仕舞 「笠之段」
仕舞 「船弁慶」
狂言 「萩大名」
能  「猩々乱」 

の4つでした。ちなみにこの演目の前にワークショップも開催されています。

個人的に特に興味を引いたことは、

  • 「能」と「狂言」が兄弟関係にあり、それぞれ私達日本人の「悲劇」と「喜劇」を表しているということ。
  • それはまるで生きた紙芝居に思えたこと。
  • 舞台装置が、西洋などのシンメトリー(中心が真ん中)ではなく、非対称であり、五色の揚幕奥の部屋が「鏡の間」と呼ばれ「あの世」を意味し、右半分を占める「本舞台」が「現世」を意味し、その間の架け橋が「橋掛り」と呼ばれていること。
  • 狂言を見て聞いていて、その声の掛け合いが、とても「ラップ」に聞こえ可笑しかったこと。
  • 狂言から、なぜかドリフターズの「8時だよ全員集合!」を思い出したこと。
  • 鏡の間(あの世)から演者が現われ、橋を渡り、現世で舞う、この空間の仕組みに驚愕し、同時に、その空間と私達観客との鑑賞空間との間が、とても複雑に絡み合った異次元空間に思えたこと。
  • 演者の一つ一つの所作が、また囃子方(笛、小鼓、大鼓、太鼓)や地謡(斉唱隊)の音の響きが、私達観客の想像力をかき立て、まるでその舞台が別物の風景に見えたこと。
  • 能とバリ島の「ガムラン」が似ていると思ったこと。



とにかく、今夜感じたことがたくさんありすぎてうまくまとめられません。

来年は是非とも、亀城本丸内で月夜の下、篝火の中で、「能」をじっくりと鑑賞したいと思います。

皆さんも是非ご覧になってみてはいかがでしょうか?


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