4月のまるアート教室を終えて


先日の土曜日、4月10日は新年度のまるアート教室の第1回目でした!

参加してくれた子どもたち、同伴された保護者の皆様、そしてまるスタッフの皆様、本当にお疲れ様でした。


●はじめに

前回のブログでもお伝えした通り、昨年までは午後の一コマ(2時間)を使って、幼稚園生から小学生まで一緒になってアートを一緒に学んできました。ですが村本先生からのご提案で、今年度から一人ひとりの子供たちの能力とニーズに応え一コマ増やし、午前が「ベーシックコース」、午後が「アドバンストコース」となりました。

全体の目標は当初のものと変わらず「自分を表現できること!」を目標に、アートを通してひとり一人の発達と感性を育む学びを行ってまいりたいと思います。

加えて、個人的に思う二つのコースの特徴を強いて述べるとすれば、ベーシックコースは「体験」が重視、アドバンストコースはより「自分の興味・関心」に重きを置いていきたいと考えています。

ですので二つのコースは各月同じ分野がベースとしてありますが、前者は体験を通して一人ひとりの感性に響く何かを伝えられれば、後者は自分の興味関心がより作品に反映された表現が生まれてくれればと考えています。兎にも角にも、自身初めての経験でもありますので、あまりこの考えに固執せず、今後子どもたちとのやり取りの中から、まるのスタッフさんたちともお話をしながら徐々に二つの「色」を見つけていければと思っています。

そして今年度最後(2022年3月)に予定している作品展につなげていければと思います。



●ベーシックコース

2021年4月10日(土)10:30~12:00(1.5h)
内容:スクラッチアート
テーマ:「自分が好きなもの、描きたいもの」
参加者:3名+各保護者
スタッフ3名+中村
計10名

今回ベーシックコースの参加者は、私が初めてお会いする子どもたちでした。そのため私的には一人ひとりの個性や制作の様子も見てみたいことと、今後の時間配分(1時間半)も考慮して、第1回目は「導入」としてクレヨンを使った「スクラッチアート」を課題として決めてきました。

はじめに私や子どもたちの簡単な自己紹介を行った後、「スクラッチアート」について実演を交えながら説明を行っていきました。用意したサンプル作品を子どもたちの前でお見せし、テーマでもある「自分の好きなもの、描きたいもの」をおしゃべりしながら言葉で具体化しから制作の方に移っていきました。

今回参加された親子の方で、このスクラッチアートを初めて見たという方もおられました。
改めてこのスクラッチアートをご説明すると、用意するモノは以下のものだけ。

・白の画用紙(今回は八つ切りサイズを使用)
・クレヨン
・割り箸など、先のとがった道具

はじめに黒色以外のクレヨンで画用紙の白を塗りつぶしていきます。この時のポイントは画用紙の白を残さないこと。隅々まで!
そして次にその塗った上から黒のクレヨンで真っ黒にさらに塗りつぶしていきます。つまり色とりどりの層の上に黒色の層がのっかっている状態になります。
そして最後に割り箸など先のとがった道具で、鉛筆で文字を書くように描いていくと、黒色の層が削られ(スクラッチ)、下地の様々な色が浮き出てくるというわけです。

最近では百円ショップなんかで市販のもの(ひっかくだけのもの)が売られており、身近なものになったように感じています。

ただここでは下地の準備も合わせて制作をするので、また画用紙全部をクレヨンで塗りつぶす行為は大人でも結構な労力を必要とします。ですが、はじめの色選びからその塗り具合に至るまで、子どもたちの個性が強く反映されることとなり、また削ったときにどんな色が出てくるのかわからない「ドキドキ・ワクワク」もあって、とても楽しいアートだと個人的に思っています。

年長の男の子
「B'z」が好きな男の子
画面の隅々までスクラッチした細かな線が躍動感にあふれ
力強い生命力を感じます!

年中の男の子
下地に好きな色(紫)のクレヨンで塗っている時、
コロコロと転がしながら塗る方法をあみ出していました。
その後、お母さんとおしゃべりをしながら好きなブドウやシュークリームなど
描いていきました。村本先生曰く、普段と違ってとても集中して制作されていたとのこと。

年長の男の子
クレヨンで下地を塗る際、一点集中でグルグルと色々な色を重ねながら
塗っていきましたね。そのあとスクラッチでもグルグルは健在です。
その周りにはお母さんがカレーパンマンなど男の子が好きなキャラクターなど
優しく囲むように描かれています。


●アドバンストコース

2021年4月10日(土)13:00~15:00(2h)
内容:スクラッチアート
テーマ:「自分が好きなもの、描きたいもの」
参加者:4名
スタッフ3名+中村
計8名

当初の計画では、スクラッチアートからのお面づくりを検討していましたが、「なんか違うかな」と、当日の朝まで悩む始末。会場へ向かう車中で悶々と考えることに。

ベーシックコースはスクラッチアートの体験だとすれば、アドバンストコースはストレートに絵画作品としての表現を求めた結果、段ボールを額縁にして作品の周りに合わせてみようと考えました。

結果的に見え方も断然違って見えた事と、その額縁を自分の色で染めていくというアイデアも生まれました!

また一人ひとりの個性や興味関心も明確に分かれており、そこがまた興味深く、同じ表現方法でもハッキリとその違いがわかります。


小学1年生の男の子
「線の戦い」
色々な色の線が戦っているところを表現
どの色が勝ったの?と尋ねてみると、まだ戦っている最中とのこと。
なんだかその音まで聞こえてきそうな作品ですよね!

小学3年生の女の子
「夜桜の猫の結婚式」
個人的にやられました。素晴らしいの一言です!
制作のはじめ、私が子どもたちにスクラッチアートの説明をしていると、
彼女の頭の中ですでに完成図が出来上がっていました。
というのもその時「大好きなネコを描いてみる?」と尋ねると
「いや、ちょっとだけ出てくる」と言って
クレヨンはピンクと黄土色の二色だけを使用しました。
それは桜の花と幹の色を表すもの。つまり全て計画的に制作を進めていきました。
ただそのとき猫は桜の木の下でお地蔵さんのようにちょこっといるだけなのかな?
と思っていたら、なんと26匹もの猫が描かれているではありませんか!
それも夜桜の結婚式!!!

中央には結婚する二匹の猫が描かれています。
桜の花びらが舞っていますね~

小学1年生の男の子
「ゲームの武器?」
ほぼ一発描きです。ですが、その線にとても美しさを感じます!
実は写真を撮り忘れてしまいましたが、もう一枚描いています。
それもゲームの武器です。タブレットを使って検索して、それを見ながら・・・


あと初めて参加された年長の女の子の作品を撮影し忘れてしまいました。
作品には、テント型のお家や「まる」と「しかく」、あとタイヤがついた動くビルが描かれ、額縁にはユリが漢字で書かれ、赤などの色で着彩されていました。

また余った時間には蝶々や3年生の女の子と一緒に、養生用の新聞紙にあった女性の顔にパステルやカラーペンなどでお化粧を施して楽しく時間を過ごしていましたね。


●次回のお知らせです。

次回は立体作品を行います。

2021年5月8日(土)
ベーシックコース「紙粘土で動物づくり」
アドバンストコース「新聞紙で動物づくり」

持参物(全参加者):作ってみたい動物の資料(図鑑や写真など)

皆さんのご参加、心よりお待ちしています!
ではまた!!


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