社会力と多様性
先週の土曜日(2月25日)に、つくばイノベーションプラザで行われた、NPO法人スマイル・ステーション主催の楽楽大学特別講座「つくば市教育長 門脇厚司氏 講演会」に行ってきました。
演題は「社会力が地域を創る -美浦村での体験から-」。
以前、つくば市の教育長が新しい人に代わったことをニュースで知っていたことと、たまたま講演会のチラシをカピオで見つけ、どのような人なのだろう?と興味を覚えたためです。
私の正直な感想は「とてもおもしろかった!」の一言です。そして柔軟に物事を捉える人が身近にいたことに嬉しくなりました。
そう感じた理由は2点です。
一つ目は社会力(Social Competence)についての氏の解釈。
二つ目は、ユニークでかつ創造的な教育施策
昨年の一年間、みんなのアート基礎講座を行っている際、平行して地域の市民活動や教育についてリサーチをしていました。リサーチと言っても大それたものではなく、例えば地域の自治体がどのような「教育振興基本計画」に基づいて行っているのかな?といったものです。
その感想から先に述べると、世の中が「多様性」へとシフトチェンジしている中、その舵が本当に取られているのかな?と疑問に思うところがありました。
例えば、国が定めた基本計画があるとすると、県がその内容をそのまま受け取り、県の計画を作成し、その内容を受けて、各市町村がそのまま受け取り、各計画を策定し施行している、という流れ(トップダウン)であるためです。
この流れの中には「多様性」ではなく、「画一性」の流れでしかありません。仮にもし、国が定めた内容について誤りがあった場合、その誤りを国全体が受動的に受け継ぐ危険性があり、その誤りを受け止めることが出来ない子どもたちには「排除の力」が働くことになります。
私の考えは、国または県がある程度大きな枠組みを策定したら、権限をもっと分散させ、それを受け、地域の自治体はもっと自由に地域の声を反映させながら、またクリティカルかつ地域の課題に対し細やかに対応すべく、独自のものを作成すべきだと思います。
国があっての地域の多様性ではなく、地域の多様性あっての国がある関係性を構築すべきです。
話を戻すと、講演の冒頭から、同氏が文部科学省が示した教育振興基本計画(平成25年度〜29年度)における「教育行政の基本的方向性」の一つである「社会を生き抜く力(の養成)」について批判的に捉え(自分本位に他人を排除して生きることを肯定する意味を含みます)、そうではなく「社会をつくる力」だと述べたことに、とても共感を覚えました。
以下、その社会力について、いただいた資料より抜粋します。
同氏は2010年10月から2016年3月まで、隣の美浦村の教育長を勤められていたということでした。そこで各関係者の方々と共に様々な施策を試みられていたのですが、特に印象に残ったのは「選書会」についてです。
これは、村が600万円の予算を確保し、幼小中で子どもたち自ら読みたい本を選ばせ(体育館の床に本の表紙だけを並べ置き、子どもたちにぐるぐる回って選んでもらう)、それらの本を学校の図書館に置くというものです。
それの意味するところは、自分が選んだ本が学校の図書館にあると自然とその本を借りに行ったり、友達が選んだ本も気になったりと、その効果は図書館に通う全国平均の倍になったそうです。これはまさしく子どもたちの自主性と識字率を引き出している試みに思えました。大人たちが決めた本を子どもたちへ読ませるというトップダウンの流れでは決してなく。
そして同氏自ら作成した「教育振興基本計画」は上記の「社会力」を反映したとてもユニークなかつ、子どもからシニアの方までとてもわかりやすい内容となっていますので、是非ご覧になってみてください。特に第4章「教育計画の実現に向けてー美浦村と村民の34(みほ)の約束ー」がお勧めです!(以下、リンクを貼らせていただきます。)
今後のつくば市の教育の動向に目が離せません!
話がまた長くなりましたが、2017年度はアートコンパスだけでなく、地域の講演会やワークショップなどに積極的に参加し、私自身もっといろいろ勉強していきたいと思っています。そして良いところは積極的に盗んでいき、アートコンパスに還元していければと思っています。
そして皆さんにもその内容をお伝えしていければと思っています。
それではまた!
演題は「社会力が地域を創る -美浦村での体験から-」。
以前、つくば市の教育長が新しい人に代わったことをニュースで知っていたことと、たまたま講演会のチラシをカピオで見つけ、どのような人なのだろう?と興味を覚えたためです。
私の正直な感想は「とてもおもしろかった!」の一言です。そして柔軟に物事を捉える人が身近にいたことに嬉しくなりました。
そう感じた理由は2点です。
一つ目は社会力(Social Competence)についての氏の解釈。
二つ目は、ユニークでかつ創造的な教育施策
社会力
昨年の一年間、みんなのアート基礎講座を行っている際、平行して地域の市民活動や教育についてリサーチをしていました。リサーチと言っても大それたものではなく、例えば地域の自治体がどのような「教育振興基本計画」に基づいて行っているのかな?といったものです。
その感想から先に述べると、世の中が「多様性」へとシフトチェンジしている中、その舵が本当に取られているのかな?と疑問に思うところがありました。
例えば、国が定めた基本計画があるとすると、県がその内容をそのまま受け取り、県の計画を作成し、その内容を受けて、各市町村がそのまま受け取り、各計画を策定し施行している、という流れ(トップダウン)であるためです。
この流れの中には「多様性」ではなく、「画一性」の流れでしかありません。仮にもし、国が定めた内容について誤りがあった場合、その誤りを国全体が受動的に受け継ぐ危険性があり、その誤りを受け止めることが出来ない子どもたちには「排除の力」が働くことになります。
私の考えは、国または県がある程度大きな枠組みを策定したら、権限をもっと分散させ、それを受け、地域の自治体はもっと自由に地域の声を反映させながら、またクリティカルかつ地域の課題に対し細やかに対応すべく、独自のものを作成すべきだと思います。
国があっての地域の多様性ではなく、地域の多様性あっての国がある関係性を構築すべきです。
話を戻すと、講演の冒頭から、同氏が文部科学省が示した教育振興基本計画(平成25年度〜29年度)における「教育行政の基本的方向性」の一つである「社会を生き抜く力(の養成)」について批判的に捉え(自分本位に他人を排除して生きることを肯定する意味を含みます)、そうではなく「社会をつくる力」だと述べたことに、とても共感を覚えました。
以下、その社会力について、いただいた資料より抜粋します。
- 人が人とつながり、社会をつくる(作る、創る)力のこと。
- よりより社会を実現しようとする意欲のことであり、よりより社会を考える力(構想力)のことであり、考えたよりよい社会を、できるところから実現することができる力(実行力)のこと。・・・社会に適応する能力である「社会性」(Sociability)とは決定的に異なる能力。
- 住民個々人の社会力があってこそSocial Capital(社会的関係性)である!
教育施策
同氏は2010年10月から2016年3月まで、隣の美浦村の教育長を勤められていたということでした。そこで各関係者の方々と共に様々な施策を試みられていたのですが、特に印象に残ったのは「選書会」についてです。
これは、村が600万円の予算を確保し、幼小中で子どもたち自ら読みたい本を選ばせ(体育館の床に本の表紙だけを並べ置き、子どもたちにぐるぐる回って選んでもらう)、それらの本を学校の図書館に置くというものです。
それの意味するところは、自分が選んだ本が学校の図書館にあると自然とその本を借りに行ったり、友達が選んだ本も気になったりと、その効果は図書館に通う全国平均の倍になったそうです。これはまさしく子どもたちの自主性と識字率を引き出している試みに思えました。大人たちが決めた本を子どもたちへ読ませるというトップダウンの流れでは決してなく。
そして同氏自ら作成した「教育振興基本計画」は上記の「社会力」を反映したとてもユニークなかつ、子どもからシニアの方までとてもわかりやすい内容となっていますので、是非ご覧になってみてください。特に第4章「教育計画の実現に向けてー美浦村と村民の34(みほ)の約束ー」がお勧めです!(以下、リンクを貼らせていただきます。)
今後のつくば市の教育の動向に目が離せません!
話がまた長くなりましたが、2017年度はアートコンパスだけでなく、地域の講演会やワークショップなどに積極的に参加し、私自身もっといろいろ勉強していきたいと思っています。そして良いところは積極的に盗んでいき、アートコンパスに還元していければと思っています。
そして皆さんにもその内容をお伝えしていければと思っています。
それではまた!
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