手づくり年賀状の制作手順

表題の通り、今回は講座当日に行われる木版画制作の手順について、写真と共にお伝えし、そのイメージを参加者の皆さんと前もって共有することを目的とします。

先ず、年賀状のデザインについてですが、一言にデザインと言っても「どんなデザインにしたらいいのかなぁ~」と一番悩んでしまうところではないでしょうか!?

そこで、私のほうでインターネットの関連ページや本屋さんで販売されている書籍などを覗いて調べてみると、今の傾向として、以下のように分類できるのではないかと思われます。

  • 干支の鳥(鶏、鷹、孔雀、鶴など)
  • 干支の文字(酉)
  • 筆文字
  • 自分や家族のポートレート
  • 自分の好きなキャラクター(アニメやゆるキャラなど)
  • 新年の風物詩(日の出、富士山、紅白梅、ツバキ、松、獅子舞、凧揚げ、だるま、地域の観光名所など)

今回のサンプルは「干支の鳥」と「賀詞」を組み合わせて制作してみました(以下)


1.考案と下絵づくり

ハガキサイズ(100×148)の枠が書かれた下絵用紙に、想像上の鳥を墨と筆で描いていきました。
墨と筆を用いた理由は、線や形に偶然できるかたちも取り入れたいと思った事と
好きな木版画作家である棟方志功のイメージと重なったためです。
また余白には賀詞の「賀正」と私のサイン「玄」を入れてみました。
※当日、皆さんにはこの枠つきの下絵用紙をお配りします。もちろん筆でなく鉛筆やボールペンや筆ペンでも問題ありません。


2.転写

下絵が乾いてから、その上にトレーシングペーパーを敷き、ボールペンで絵柄に沿ってなぞっていきます。
※作成した下絵の代わりに、持参してきた資料(ハガキサイズに合わせたもの)の絵柄をそのまま活用する事もできます。


コチラが描き終えたものです。

下から版木(あらかじめ墨であたりをつけています)、カーボン紙、裏返したトレーシングペーパー(図柄が反転するため)の順で重ね置いて、同様に図柄を版木へ描き写していきます。

このとき、版木と各用紙がずれないように、セロハンテープで仮止めしています。

絵柄を写し終えた版木
※もちろん、この下絵の手順を省き、版木に直接イメージする絵柄を描いていっても問題ありません。

3.彫り
絵柄に沿って彫刻刀で彫っていきます。
版木のサイズはハガキサイズよりも少し大きめです。
そこで、上部の角を残し、摺りの際、ハガキを合わせやすくしています。
また彫りの時に注意したいことは、絶対に刃先の前に手を置かない事です!


4.摺りと仕上げ
今回は単色摺りです。
三色(黒色・茶色・朱色)から好きな色を選べます。

一度目の摺りの後、背景の余分な彫り残しの部分や右下のサイン「玄」がうるさく感じたので彫り除き、
サインの代わりに指の跡をサインに見立ててみました。

また別な方法として、あらかじめ余白を多めに残しておき、その場所に筆で賀詞を書いたり、メッセージを添えてみるのも良いかもしれません。



いかがだったでしょうか?

参加者の皆さんに持参をお願いしている「年賀状デザインの資料」についてですが、具体的にイメージが湧かない場合、先ずは本屋さんで市販されている年賀状デザインの本や、インターネット上の画像や実際の鳥を見てみたりすることをお勧めします。

次に、そこから自分が好きなデザインを参考にされるのも良いですし、はじめから具体的なイメージや好きな作家さんがいる場合、そこから資料を集めてみてノートにスケッチしてみてはいかがでしょうか?

また講座当日、資料を持って来たのはいいけど、具体的にイメージが湧かない場合は、私と一緒におしゃべりしながらイメージを固めていきましょう!

それではまた。


追伸:
こちらは日本郵政グループのホームページに掲載されていた年賀状デザインのページです。ご参考までに。

https://print.shop.post.japanpost.jp/nenga/

http://yubin-nenga.jp/search/







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